MS、Vistaのライセンスに変更――新たな配備モデルへの対応(2/2 ページ)

» 2007年04月04日 07時53分 公開
[Peter Galli,eWEEK]
eWEEK
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 これにより、管理を重視している顧客、保存するOSイメージを減らして管理コストを削減したいという顧客、動的なプロビジョニングを可能にするパートナー各社のソフトウェアを利用したいと考えている顧客に、より柔軟なシナリオの可能性が開かれるという。

 「ここで重要なのは、技術が進化を続けており、企業ユーザーは比較的新しい技術を利用するために新しい配備モデルでWindowsを試したいと考えていることだ」とウッドゲート氏は話す。

 「このため、Vistaではライセンス方式をより柔軟にすることにより、ユーザーがWindowsを配備するアーキテクチャを選べるようにすると同時に、これらのシナリオが企業にとってどれだけ価値が高いかを実証するつもりだ」(同氏)

 新しいライセンスモデルの主なユーザーとしては、政府機関および金融分野の企業が想定されている。これらの分野のユーザーは非常にセンシティブな情報を扱っており、こういった情報を個々のPCのHDDではなくSANデバイスに保存し、そこからPCのメモリに配信する方式を望んでいるからだ。

 ウッドゲート氏によると、こういったPCでは、Windowsに付加されたサードパーティーソフトウェアも起動時に読み込まれるという。このイメージはネットワーク上で検出され、ローカルHDDから読み込むのと同じように、WindowsファイルがPCのメモリ内に配信されるという。

 このPCは、3Dグラフィックなどを備えた本格的なリッチクライアント環境をユーザーに提供するが、モバイル対応ではない。「ネットワークとの接続が切れると、この環境は失われる。このため、これは『常時接続』のシナリオに最も適している」とウッドゲート氏は話す。

 ウッドゲート氏は、具体的な価格設定を明らかにしていないが、シンクライアント/リッチクライアントデバイスの数に基づいた価格になるとしている。これに加えて、Microsoftまたは他社製のサーバOSと仮想化スタックが必要になる。

 VECDとTerminal Services(Windowsサーバを通じてデスクトップ環境を提供する)との違いについて、「Terminal Servicesは各セッションで1つのWindows Serverを使用する。仮想マシンスタック内でVMを動作するのと比べて、約10倍も拡張性がある」とウッドゲート氏は説明する。

 「つまりVECDでは、同じ数のユーザーをサポートするのにTerminal Servicesと比べ、ハードウェアに対して最大で10倍の出費になる可能性がある。Terminal Servicesは、価格意識が強く、先進技術の早期採用にこだわらないユーザーにとっては素晴らしい選択肢だ」(同氏)

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