しかし、高度な条件定義が行えるだけでは、まだ十分な実装とはいえない。
それは「休暇中」といった設定において、例えば休日から続けて休暇を取得するような場合、端末の設定を誰に変えてもらうのかといった話が出てくるからだ。これは、自宅から直接出張に出かける場合でも同じことがいえる。
この問題を解決するには、やはりスケジューラソフトとの連携が必要だと考えている。
現在、企業内ではマイクロソフトのExchange ServerやIBM Lotus Notes/Domino、あるいはサイボウズといったさまざまなグループウェアのスケジューラが利用されているはずだ。そして、それらのグループウェアでは、ある程度ユーザー側でもカスタマイズが可能になっている。ならば、各種スケジューラソフトに対して、SIP(プレゼンス)サーバが管理するステータス情報を直接変更できるインタフェース(API)を提供すればよいはずだ。このAPIは近々提供する予定である。
「Click2Call」とは、まさにIP電話らしい機能の1つだ。Webブラウザに表示された電話番号をクリックすることで、発信操作を行う機能のことである。もちろん、これはプレゼンスに特化したものではない。
ただし、名前と電話番号だけを載せたページ(アドレス帳)よりも、その要素に状態や現在位置を加えたページに仕上げた方がはるかに利便性が向上するはずだ。例えば、先に説明したAPIやSIPスタックと組み合わせて、画面2のようなページを作ることも可能になる。
前回の記事では、取込中の相手には安易に電話できないようにすべきだと説明したが、例示したアドレス帳ページでも状態が「在席」以外の場合、その番号に対してClick2Callできないようにしている。
もちろん、緊急着信可能な状態に対してClick2Callできるようにし、クリック後に緊急か否かを求めるポップアップを出すようにしても構わない。
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