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» 2007年04月17日 18時24分 公開

足下が常夏のビジネスマンを救う日本HPの新ソリューション

日本HPは、ブレード型ワークステーションを核とするシンクライアントソリューション「HP Blade Workstation ソリューション」を発表した。複数のワークステーションを足下で稼働させるような金融業界などから拡販を開始する。

[西尾泰三,ITmedia]

 日本HPは4月17日、高パフォーマンスとセキュリティ、高管理性を同時に実現する「HP Blade Workstation ソリューション」を発表した。併せて、同ソリューションに使われるワークステーションブレード(ブレード型ワークステーション)「HP ProLiant xw460c Blade Workstation」(xw460c)を5月上旬から提供を開始する。

松本氏 「あと2週間でHPとコンパックの合併から5年がたつ。HPは今、名実ともに世界ナンバーワンのPCベンダーの座にいると言ってよいと思うが、そうした位置にあるPCベンダーとしてクライアントPCのシンクライアント化に向けた新しい環境を提供していきたい」と松本氏

 都内で開催された発表会で、日本HP パーソナルシステムズ事業統括 執行役員 マーケティング統括本部の松本光吉統括本部長は、「クライアントPCにはコスト低減や組織変更などに対応するアジリティ、さらに近年ではそのサービスレベルやセキュリティが問われているが、データセンターにばかり気を取られて、机の上(クライアント環境)がケアされていないところがある。さらに、これまでのクライアントPCは人に依存するものだったが、フリーアドレスなど新しいワークモデルが登場しつつある中、こうした利用形態のままでいいのかと考えた」と今回発表のソリューション誕生の背景を語った。

 同ソリューションは、ワークステーションブレード本体やストレージなどの主要機能をエンクロージャ内に設置し、ネットワークを経由で専用アクセス端末(シンクライアント)にピクセルデータを転送して表示させるもの。ワークステーションブレード「xw460c」は、インテル Xeon5100シリーズ(5120/5150)を搭載したブレードサーバ「HP ProLiant BL460c」をベースとしつつ、NVIDIA Quadro FX 560Mグラフィックスを搭載してグラフィックス処理性能を高めたもので、HP BladeSystem c-Classのエンクロージャに最大16枚搭載できる。

 xw460c上で処理されたグラフィックスデータは、HP独自の圧縮技術「HP2テクノロジー」を用いて可逆圧縮を行う「HP Remote Graphics ソフトウェア」が最適化するため、ネットワークの帯域を圧迫することなく3Dグラフィックスなどの大容量データを高速に転送できる。

 一方、専用アクセス端末は最大4画面ディスプレイまで対応する「HP dc72 Blade Workstationクライアント」と、2画面ディスプレイに対応する「HP Compaq t5720 Thin Client」の2種類が用意される。いずれも組み込みLinuxを搭載しており、立ち上げると認証などを経てxw460cに接続される。クライアント側にはグラフィックスデータしか存在しないため、セキュリティの向上が図れるほか、シンクライアントとネットワーク環境があればユーザー固有の環境を再現できるため、オフィスのレイアウト変更時や大規模なオフィス移動時などでも柔軟に対応できる。

デモとして使用された環境。4画面ディスプレイの操作は別のサーバが割り当ててあっても仮想デスクトップ的に利用できるため、マウスやキーボードは一組でよい。表示の遅延については、50ミリ秒以下、可能な限り(遅延が意識されないレベルの)20ミリ秒を目指すという。なお、日本とアメリカという2拠点での事例では、100ミリ秒程度の遅延であったとしている

 同ソリューション自体は米国で4カ月ほど前に発表されたもの。この日発表会に同席した米HP ワークステーショングローバルビジネスユニット ブレードワークステーション・リモートグラフィックスソフトウェア製品マーケティングのディレクター、ダン・ノーヒューズ氏は、実顧客事例として以下のようなケースを紹介した。

ノーヒューズ氏

 「金融業のトレーディングルームでは、机上には4つ以上のモニタ、足元には複数台のワークステーションを設置しているという環境が珍しくない。このような状態のため、足元では発熱がひどく、上半身はセーターを着ているのに、下半身はハーフパンツのようなケースもある。また、騒音も無視できないレベルに達しているまさに『劣悪な環境』」(ノーヒューズ氏)

 英ロンドンにあるLloyds TSBも同ソリューションの導入前は、上記の状態に似たものがあったという。1日あたり平均5000億ドルのトレードを行うロイズは、280台のワークステーションブレード、250台のクライアント端末と1000以上のディスプレイを導入、新しいトレーディングフロアを2006年8月に稼働開始させたという。

 xw460cの価格自体は51万300円から。日本HPでは、16ユーザー想定で約1000万円からだとしている。市場展開としては、当面は金融業をターゲットに拡販を進めるが、この夏には機械CAD(MCAD)を使用する製造業の分野への進出も予定しているという。また、すでに米国で展開しているイメージングやコマンドコントロール、サイエンスリサーチなどの市場も挙げられよう。すでに数多くのパイロットプログラムが進行しており、その中には日本企業も含まれるという。

 現時点でサポートするOSはWindows XP SP2だけだが、HPでは今後、年内にSUSE Linuxを、2008年にRed Hat Enterprise LinuxやWindows VISTAへの対応を図るという。ただし、日本国内では市場性も考慮し、Linuxがサポートされたとしても、当面はWindows環境のみをサポートする予定。

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