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» 2007年05月14日 07時00分 公開

第3回 内部統制を実現するアプローチ内部統制を前に見直せ! ワークフロー

ワークフローを活用して内部統制に対応するにはどうすればいいのか。内部統制の意味を再確認し、有効活用の仕方、ひいては対応製品の選び方を考える。

[梅田正隆(ロビンソン),アイティセレクト]

内部統制での有効性

 内部統制は、組織が健全で有効かつ効率的に運営されるよう、各業務においてあらかじめ基準や手続きを定め、それに基づいて監視・管理を行い、各業務が適正に運営されることを保証するものである。

 その内部統制においてITに期待されているのは、適正な業務プロセスを構築することだ。業務フローを可視化し、監査においては証跡として見えること、財務諸表の正確性の観点では経営者が簡単に経営判断を行えるようにすることが求められる。いわゆるビジネスインテリジェンス的な機能である。

 一方、IT自体に対しては、IT統制が適正に運用されることが求められる。そのために、IT環境がセキュアに運用され、データが見えるだけではなく業務フローが適正にモニタリングされる必要がある。モニタリングは、内部統制の有効性を評価するためにも欠かせない機能だ。

 日本オラクルのアライアンスビジネス統括本部ビジネス推進部兼ISV推進部に所属する遠藤哲氏は、内部統制を実現するアプローチについて次のように解説する。

 「内部統制には、業務処理統制とIT全般統制の2つがある。業務処理統制は、財務・会計や人事・給与、生産といった業務プロセスを管理することで、『つなぐ・見える』がキーワードになる。それを実現するアーキテクチャとしてSOAが使える。実際のIT環境では、メーカーもアーキテクチャも異なるものが混在しているが、それらを単に連携させるのではなく、いかに内部統制を意識してシステム間の連携を図れるかがポイントだ。それには、統制プロセスを回せるプロセスエンジンをミドルウェアとするSOAベースのインテグレーションが有効になる」(遠藤氏)

ワークフローの検討方法

 一般的なワークフロー製品やソリューションにビジネスの現場で求められる機能は、申請、承認(あるいは却下)だったり、そこで流れたデータの管理機能、会計システムとのデータ連携機能、あるいは監査の際の参照機能や分析機能である。基本的に、総務・人事系の各種申請書や稟議書など、紙で処理される業務はワークフローに置き換えやすい。最近ではERPに関連する旅費や経費の申請についても、内部統制の観点からワークフローへの置き換えに注目が集まっている。

 実際にワークフロー製品を選ぶとき、まずその数の多さに驚く。「パッケージだけでも約50社、グループウェアまで含めると約100社から提供されている」と指摘するのは、システムインテグレータであるFFCのビジネスソリューション統括部ビジネスソリューション営業部マーケティンググループで活躍する大畑渡氏だ。

 「製品の検討には時間とコストがかかる。ただ、そもそも自社に適していない製品を検討しても時間の無駄。ワークフロー製品は分類することができるため、それを製品選びの基礎知識にしてもらいたい」(大畑氏)

 大畑氏による分類では、1つ目が「ワークフロー専門型」で承認機能に特化した製品、2つ目が「会計システム型」でERPなどの会計システムにワークフロー機能が付属し、申請業務を回せる製品となる。3つ目は「グループウェア型」。グループウェアが持つ機能の一つとしてワークフロー機能(申請業務)が含まれている製品だ。ほとんどの製品はこの3タイプに属するが、大畑氏によると、このほかにも「プロセス制御型」「帳票アドオン型」に分類できる製品もあるという。

 参考までに3タイプの特徴を示す。製品選びの参考にしてみてはいかがだろうか。

(1)ワークフロー専門型

 申請業務、実績管理の機能が非常に充実している。また、業務や運用のルール変更に対し、設定の変更が容易でありコストがかからない。ただ、申請業務が限定的な場合や承認プロセスが少ない企業では、導入効果が見えにくい。逆に、さまざまな業務にワークフローの活用を拡大する場合は、強力なエンジンを搭載しているため、1つのサーバーで多くの業務を処理できるメリットがある。

(2)会計システム型

 会計システムのオプション機能として提供される。発生源入力・分散入力を実現。比較的低価格で直接会計システムと連動する。申請から一度の承認で会計システムに流れるような場合は最適。ワークフロー機能は極めてシンプルなものとなるが、経理や財務担当者にとって最適な、充実した機能を持つ。業務の横展開には不向き。

(3)グループウェア型

 短期間に構築・導入が可能。価格も安い。申請画面の簡易作成ツールが充実しており、容易にウェブ画面を作成できる。テンプレートも多数用意されており、メールやスケジュールなどほかの機能とあわせて考えると、割安感がある。ただ、申請頻度が多いあるいは申請経路が複雑な業務では、運用が難しくなる傾向がある。

FFCの大畑氏によるワークフロー製品の3分類

「月刊アイティセレクト」5月号のトレンドフォーカス「内部統制で急浮上するいまどきの『ワークフロー』 注目される理由とは?」より。ウェブ用に再編集した)

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