ケータイをシンクライアントとして利用するSaaS「Zinga」がスタート

インデックスHDとサイボウズが共同出資するZINGAは、情報漏えい対策とビジネスコミュニケーションを実現する携帯電話やPC向けSaaS「Zinga」を開始する。

» 2007年05月14日 20時15分 公開
[國谷武史,ITmedia]

 インデックス・ホールディングス(HD)とサイボウズの共同出資会社ZINGAは5月14日、携帯電話やモバイルノートPCなどから利用できるビジネスコミュニケーションサービス「Zinga」を5月15日から開始すると発表した。

 Zingaは、社内や顧客、取引先などのアドレス帳データやメール、通話履歴などをWebから利用、管理できるSaaSサービス。Flash対応の携帯電話(一部機種を除く)やノートPCから利用できる。データはZingaサービスのサーバに保存されるため端末内にデータを残さず、個人情報の漏えいリスクを軽減できるという。

ZINGAのサービス画面(PC版)。

 ユーザーには専用ページが提供され、最新情報をユーザー同士で共有できる。登録メンバーの検索やプレゼンス確認も行え、連絡相手の状態に応じて、メールや電話など最適なコミュニケーション手段を選べるという。コンテンツはデータサイズの軽量なAdobe Flash(携帯電話はFlash Lite 1.1)で生成させるため、不安定な通信環境でも軽快な操作性を実現している。

コンテンツをFlash化することで軽快な操作性とデータ保護を可能にした

 すべての通話履歴やメールの送受信履歴が残るため、内部統制におけるログ管理などにも活用できる。通信会社の分計サービスに対応するため、個人契約の携帯電話でZingaを利用した場合の通信費用を把握できるという。

 利用料金は1ユーザー当たり月額525円で、初回登録から30日間は無料となるほか、登録ユーザーから紹介された新規ユーザーも30日間は無料で利用できるキャンペーンを実施する。

ケータイSaaSで新市場を開拓する

 ZINGAの大森洋三代表取締役社長は、「携帯電話をシンクライアント端末として利用する、いわば携帯電話版のSaaSサービス」と説明し、「従来には見られない携帯電話サービスの新しい市場を開拓したい」と話す。

ZINGAの大森洋三社長

 大森氏によれば、Zingaサービスが狙う市場は1台の携帯電話端末をビジネス用途にも個人用途にも利用する「2E」(Enterprise&Entertainment)だといい、国内だけでも約5000万ユーザーがおり、海外も視野に入れると可能性が無数に広がるという。大森氏は、PC向けのSaaS普及、企業のJ-SOX対応やテレワーク導入などの動きから、「携帯電話でのSaaS利用が進む」と話す。

Zingaサービスで新規開拓する携帯電話サービス市場

 Zingaサービスの開始に伴い、新たに日本ベリサインがZINGAへ資本参加すると発表された。日本ベリサインの橋本晃秀代表取締役社長は、「携帯電話をセキュリティサービスの中軸に位置付け、モバイルセキュリティを戦略的に展開したい」と述べた。

 大森氏は今後の目標について、「未開拓市場のため未知の要素が強い」としながらも、サービス開始後3年間で30億円規模の売り上げを目指すという。当面はサイボウズサービスの利用企業を中心に訴求し、2万社の利用獲得を狙うとしている。

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