Googleの「ごみウェア」はいらない――ユーザーに選択の自由を(2/2 ページ)

» 2007年05月29日 14時01分 公開
[Larry Seltzer,eWEEK]
eWEEK
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 それでもやはりユーザーは怒る。crapware反対運動は以前からある。何年もの間、多くの観測筋が、OEMメーカーはPCに不要なソフトを大量にプリインストールしており、購入したその日から動作が遅くなっているほどだと苦情を訴えている。この流れも間もなく変わるだろう。OEMメーカーが顧客にオプションとして柔軟性を与える――おそらくその最たるものは、Windowsだけがインストールされている「裸のWindows PC」だろう――のを期待しよう。

 数カ月前に、DellはIdeaStormというサイトを立ち上げ、顧客にDell製品に望むことを問うた。このサイトは、DellがLinux搭載コンシューマーPCを提供するようになったことと大いに関係しているかもしれない(このLinux PCにもすぐにオープンソースcrapwareが搭載されるのだろうか?)。

 だが、このサイトがSlashdotに取り上げられる前に上位に入っていた顧客の要望の1つは、プリインストールソフトをオプションにしてほしいというものだった。投稿者は、OOBE(out of box experience:初期設定の作業)の際に、どのプリロードソフトをインストールするかを選択する画面を用意してほしいと提案していた。もっといいアイデアがある。PCを注文する際に、Webページにこの画面を置いておくことだ。

 標準のWindowsに付属しないもの、必要なデバイスドライバに含まれないものを、この画面でリストアップするべきだ。中には削除した方がいいものもある。例えば、DVDドライブを購入した場合、たぶんプリロードされた機能制限版のWinDVDが必要になるだろう。だが、Internet Explorer(IE)に余計なツールバーは3つも要らないかもしれない。これは主観の問題だ。2〜3年前には、WebブラウザをPCにバンドルすることが物議を醸したこともあった。重要なのは、顧客がPCの構成を決められるようにすることだ。

 Dellは聞く耳を持っていたようだ。この上なく控えめな発表だが、「プリインストールソフトはオプションでなければならない」という提案にはDellサイト上で「**COMING SOON**(もうすぐ実現)」というタグが付いている。これは、ユーザーがcrapwareを選択できるバージョンを提供するということだとわたしは解釈している。もっとも、何がいつ提供されるかは明かされていないが。

 わたしが特に興味があるのは、同社が売上高の問題をどうするかだ。crapwareを望まないユーザーによって失った売り上げを、どうやって埋め合わせるのだろうか? ただ単にそれを受け入れたり、プリインストールのオプション化で売り上げが増えて埋め合わせになると思い込むようなことはしないだろう。おそらく、サポートコストを安くすることで対応するのではないだろうか。

 これはPCのセキュリティ、そしてユーザー体験全般にもプラスになる。PC上で動作するプログラムが少ないほど、PCは安定する。Dellが正しい対処をしてくれること、すべてのOEMメーカーが同様の選択肢を提供することが市場の義務になることを祈ろう。

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