Googleの「ごみウェア」はいらない――ユーザーに選択の自由を(1/2 ページ)

GoogleがDell PCにスパイウェア的ソフトを仕込んでいるという話は記憶に新しい。新品PCに付いてくるこういうくずソフトを、ユーザーの手で選べるようにしてほしいものだ。

» 2007年05月29日 14時01分 公開
[Larry Seltzer,eWEEK]
eWEEK

 OEMメーカーから新品PCを購入したときに定番の行動と言えば、まずそのシステムが構築された後にリリースされたすべてのWindowsとOfficeのアップデートをインストールする(これは以前ほど大きな問題ではなくなった)。そして次は、OEMメーカーがWindowsと一緒にプリインストールしたゴミをすべて削除する。

 このプリインストールソフト――業界では「crapware」「crapplet」(crapは「クズ」の意味)とよく呼ばれる――はユーザーに実際に苦痛を与えることもある。新しいコンピュータの動作を遅くし、不安定にし、時には完全な混乱を引き起こすこともある。

 crapwareの最新の動きについて、こんな話が広まっている。DellのPCに搭載されている目立たないソフトウェアコンポーネントが、ある特定のブラウザ操作をしたユーザーを特別なGoogle検索ページに誘導するという話だ。その検索ページは広告であふれかえっているという。問題のコンポーネント(正式には「Browser Address Error Redirector(BAER)」という)は、アドレスバーへの入力間違いなどのミスを乗っ取り、同じ機能をもっと見えないように実行するほかのソフトを妨害する。

 このごろはGoogle Toolbarを避けるのが難しくなってきている。Javaランタイムなどほかの多くのパッケージがこのツールを勧めてくるからだ。だが、BAERはツールバーとは関係ない。BAERが妨害するソフトの1つを開発しているOpenDNSは、BAERは「スパイウェアに限りなく近い」と話している。

 crapwareはOEMメーカーに利益をもたらす。ユーザーは金を払ってPCにMicrosoft Officeをプリインストールしてもらっているが、ほかのソフトはほとんど――Norton Antivirusの90日間試用版からAOLクライアント、QuickBooks試用版、Sonic RecordNowソフト、Yahoo! Music Jukeboxまで――ソフト開発元がOEMメーカーに金を払ってプリインストールしてもらっている。さらに、例えばユーザーが試用版Norton Antivirusを「コンバート」して、月額サービスを購入した場合、OEMメーカーはその分け前を得る。

 BAERの場合、おそらくGoogleはDellに金を払ってPCにこのプログラムを載せてもらっているのだろう。だが、同社はたぶん広告収入の一部を得ている。これは両社にとって、検索ページの上半分に広告を詰め込む十分な動機になる。

 crapwareはユーザーの便宜を図るためにPCに入っているのではない。OEMメーカーがもうけるためだ。確かに、OEMメーカーは世界平和に関心を持っているのと同様に、高性能で安定したPCを提供することに関心を持っているが、彼らはとんでもなく競争が激しい業界で、手に入れられるあらゆる売り上げを必要としているのだ。

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