WiMAXはムーアの法則で進化する?(1/2 ページ)

WiMAXの普及にはキラーアプリケーションの登場が欠かせない。WiMAX端末がユーザーに受け入れられるための環境整備が進められている。

» 2007年06月01日 21時25分 公開
[國谷武史,ITmedia]

 インテルは6月1日、モバイルWiMAX(IEEE 802.16e)の最新動向に関する説明会を東京都内で開催した。WiMAXフォーラムのロン・レズニック代表らが来日し、WiMAX端末の展望や標準化に向けたフォーラムの取り組みを説明した。

吉田和正共同社長

 説明会の冒頭、インテルの吉田和正代表取締役共同社長は「モバイルWiMAXはモバイルブローバンド環境を実現する本命であり、ユーザーに新たな体験をもたらす。ビジネスシーンでも社員の生産性向上を可能にする。次世代のブロードバンドインフラとして全国に広がっていくだろう」と挨拶した。

無線BBはWiMAXで

 最初に登壇したIntelモバイル・ワイヤレス事業部CTOのシアバッシュ・アラムーチ氏は、モバイルインターネットに求められる条件やモバイルWiMAXの技術優位性について紹介を行った。

シアバッシュ・アラムーチCTO

 アラムーチ氏は、まず携帯電話を例にモバイル通信サービスの歴史について触れ、1980年代のユビキタスな通話環境の実現、1990年代以降のインターネット接続が、モバイル通信の普及に大きなインパクトを与えるキラーアプリケーションになったと説明する。

 その上で、「真の意味でユビキタスに情報を利用する存在はまだ無く、WiFiとモバイルWiMAXがこの存在を担う」と述べ、モバイル環境でのインターネット利用を爆発的に普及される「You TubeやGoogle、Yahoo!のようなキラーアプリケーションの存在が必要だ」と語った。

 モバイルインターネットを快適に利用するためには、PCと同様の処理性能と汎用性、長時間駆動が可能なポータブル端末が求められ「全く新しいデバイスもしくはメディアプレーヤーなど特定利用を目的としたデバイスが考えられる」(アラムーチ氏)という。

モバイルインターネットに求められるスピードは、ムーアの法則に習い2年で2倍ずつ高速化するという。

 サービス面でも、ADSLのような安価な定額制料金と常時接続に加え、通信速度は、1ユーザー当たり最低でも下り1Mbps、上り200kbpsが必要になると話す。「だがこのスピードは、CPUで見られたムーアの法則で急激に高まっていくだろう」とアラムーチ氏は語った。

 モバイルWiMAXは、電波の効率性に優れた変調方式のOFDMAや上り下りの通信を複数同時に行えるMIMOを採用し、通信プロトコルはIPベースになる。アラムーチ氏は、将来的にこれらのモバイルWiMAXの特長と携帯電話では第4世代に当たる次世代規格が統合され、モバイルブロードバンドの標準的な規格候補「IEEE802.16m」として2009年頃の策定を目標に検討を進められていくと述べた。

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