ジェネシスの年次カンファレンスである「G-FORCE JAPAN 2007」のために来日した米国GenesysのCOO ポール・セグレ氏は、ダイナミック・コンタクトセンターという同社の新たなビジョンに追随できるライバルはいまだ存在しないと言い切る。
G-FORCE 2007に関連する記事はこちらでご覧になれます。
従来、顧客への電話対応業務を行うコンタクトセンターは、企業にとってコストセンターとして見られてきた。そのため、かかってきた電話へいかに短時間で対応できるかが重要だった。つまり、なるべく手間をかけずに問い合わせの数をこなすことに大きな目標がおかれていた。
これに対し現在のコンタクトセンターは、企業にとって顧客との重要な接点として位置づけられるようになってきている。米国GenesysのCOO(最高執行責任者)のポール・セグレ氏は、コンタクトセンターは、コストセンターからプロフィットセンターに変化していると言う。
「コンタクトセンターにおいては、これまで人件費やITのコストを低く抑えることが重要とされてきた。ところが2〜3年くらい前から、多くの企業においてカスタマーサービスの対応が、企業の収益に直結する重要なものと捉えられるようになっている」(セグレ氏)
このコンタクトセンターの変化に対応するのが、ジェネシスが提唱するダイナミック・コンタクトセンターという新しいコンセプトだという。これは、この新しいコンタクトセンターの位置づけを受け止め、それぞれの企業にとってベストなコンタクトセンターを実現するものだという。
現状のコンタクトセンターの問題点についてセグレ氏は、「インバウンド(顧客からの電話を受ける)ならインバウンドだけ、アウトバウンド(顧客へ電話をかける)ならアウトバウンドだけ、さらに電子メール、チャットなどチャネルごとに独立したサイロ型となっている」と指摘する。この状態では柔軟性がなく、どこかで問題が発生してもほかのチャネルがそれを補完することは難しい。
対してダイナミック・コンタクトセンターでは、それぞれのチャネルの要求に応じて動的にかつプロアクティブに対応を変化させられるという。これにより、どこかに需要の偏りが発生しても、負荷を減らすことが可能となる。例えば、負荷が高い場合にはその場で対応するのではなくコールバックするように変更したり、あるいはほかのコンタクトセンターにアウトソースしたりと、こうした対応を動的に柔軟に採用できるのだ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.