“IT頼み”は混乱を招く?――年金問題の裏にあるものオルタナブログ通信(2/4 ページ)

» 2007年06月23日 09時42分 公開
[森川拓男,ITmedia]

 6月14日〜20日を「6月2週」として、オルタナティブ・ブログの「見える化」を行った。それぞれ開始日を基準にして、8週間分のデータをグラフ化している。

 今回投稿されたブログ数は52(前回比−2)と微減したのが見て取れるが、逆に全体のエントリー数は177(前回比+9)と増加した。これは、1つのみしか投稿しなかったのが15(前回比−2)と減ったのに対して、4つ以上の投稿したブロガーが21(前回比+3)と増加したことに影響しているかもしれない。

 ここで6月11日〜6月17日の週間アクセスランキングから注目点を紹介しよう。

 今週、アクセスランキング1位になったのは「ニコニコ動画のアイマス動画が凄い件について」(ナレッジ!?情報共有・・・永遠の課題への挑戦)。実際、アクセス数が多いだけでなく、コメントのやり取りも多いことから、読者の興味や関心が高いことがうかがえる。それも、単に動画配信サービスの話題ということから、著作権絡みの問題まで広がっているのが興味深いところだ。

 また、前回取り上げた「ビックカメラのポイントをヨドバシカメラで使う」(てくてくテクネコ)「メガテリヤキ、メガチキンフィレオ、ネーミングに異論あり」(テクノロジー解放日記)もランキング入りしていた。

 それでは、今週のオルタナティブ・ブログで発信された話題から、幾つかを見てみよう。

Googleボイコット運動

 最近は、ネットを通じたデータ流出事件が相次いでいる。その多くは、相も変わらずウィニーなどによるものだが、同時に懸念されているのは、Googleを始めとする検索エンジンにおけるデータ収集である。その一環といえる、「Google書籍検索」から派生した話題に関しては、前回取り上げた通り

 そして今週は、末岡洋子氏「欧州の視点」に、Googleボイコット運動という興味深いエントリーが投稿されていた。

 Googleをボイコットする? いったい何だろうかと思うと、ブロガーCharles Knight氏が自身のブログ「Alt Search Engines」で展開した“A Day Without Google”という運動であるという。その内容は、Googleを始めとする、Yahoo!、MSN、AOL、Askといった検索エンジントップ5の利用を、6月12日の午前6時より深夜までやめようというものらしい。しかも、Webの利用で検索なしにはいられないという人向けにはキチンと、100の代替検索エンジンを紹介しているという。

 しかし、このボイコットに何の意味があるのかは疑問だ。永久に使わないというのならばともかく、あくまでも約1日使わないだけだからだ。その間に代替検索エンジンを利用して、完全に乗り換えてしまえるのならば意味はあるかもしれないが、それだって結局は同じことかもしれない。代替検索エンジンが、トップ5と取って代わったとしても、そこが同じことをすれば、ただ首がすげ変わっただけだ。

 ここで吉川日出行氏「ナレッジ!?情報共有・・・永遠の課題への挑戦」に投稿されたアイトラック調査による検索ユーザの行動分析というエントリーを紹介しておきたい。

 筆者からすると、ボイコット運動などするよりも、検索を利用する側が、“どのように利用しているか”の方が気になる。

 確かに、プライバシーや著作権などを無視してデータを蓄積していく検索エンジンには問題があるかもしれない。しかし、フィルタや通報システムなど、いろいろと対策を施すことでその点は改善されていくかもしれない。

 その傾向だからこそボイコットして使わないのではなく、エンドユーザーがどう利用しているのかを把握し、ビジネスなどに応用した方がよっぽど有意義だと思うのは筆者だけだろうか。

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