“IT頼み”は混乱を招く?――年金問題の裏にあるものオルタナブログ通信(3/4 ページ)

» 2007年06月23日 09時42分 公開
[森川拓男,ITmedia]

「ブログパーツ」は英語ではない

 「ブログパーツ(blog parts)」とは、ブログのサイドバーなどに表示させる小さなスクリプトやコンテンツのこと。時計やカレンダー、ゲームなどさまざまだが、やはり動物(ペット)やキャラクターといったものが、多く使われているように感じる。このブログパーツは「ブログアクセサリー」ということもあるが、これらについては、筆者も過去に考察したことがある(関連記事)

 ブログパーツという言葉は、ITmedia海外速報部・澤氏「海外速報部ログ」に投稿された「ブログパーツ」は日本語というエントリーで和製英語であることが指摘されている。ニュース記事の中で「Web上のウィジェット(widget)」として書かれたのがブログパーツであるということだ。まだ、アメリカにはそのものを表す言葉がないようで、仕掛けや道具を意味する「widget」を使っているようだ。

 米comScoreが行ったブログパーツの調査結果から、日本と米国では違いがあることを垣間見ることができる(関連記事)。日本でブログパーツといえば、ペットやキャラクター系のものに人気が集まりそうだが、アメリカでは4位までを写真関連のパーツが占めたのだ。5位にようやくキャラクター系パーツである「BunnyHeroLabs」がランキングされている。

 これは国民性の違いなのだろうか。そういえば、最近は中国のユーザーで日本のペットやキャラクターのブログパーツを使っているのを多く見かけるようになった。実際、“つながる”ことが特徴の「友達申請」では、かなり中国人からの申請がある。筆者のブログパーツの1つは、明らかに中国人と分かるユーザーが友達として数多くいるような状態だ。しかし、いまのところ米国などの友達申請はないのだ。

 しかし、日本とアメリカでは、同じキャラクターものでも雰囲気が異なる。日本の「マンガ」が「コミック」とは別に国際的に使われるようになったように、「ブログパーツ」も国際的に使われるようになるのかどうか。注目してみたい。

ケータイ・フォーマット

 現在、出版不況と言われているが、その中でも売れているのが、ケータイ発の小説である。このことについて、小林啓倫氏「シロクマ日報」に興味深いエントリーが投稿されている。ケータイ・フォーマットというエントリーで、雑誌「ダ・ヴィンチ」の特集「若者がケータイ小説にハマる理由」を受けて書かれたものだ。

 これによると驚いたことに、ケータイ小説をよく読む10代の女性は、本屋で小説を購入する機会がないという。その理由が、「ケータイ小説と違って“縦書き”で読みづらい」「本が重い」「お金もかかる」というのだ。これに対してケータイ小説であれば、いつも持ち歩いているケータイで読めることが気楽だという。この背景には、ケータイが体の一部として根付いている実態がある。

 正直、このことは活字大好き人間の筆者からすると、カルチャーショックを覚えてしまった。

 こういったケータイ小説やブログが出版される場合、中には縦書きに編集されるものがあるが、ケータイ上と同じく横書きレイアウトで出版されるものが多いのだ。

 筆者からすれば日本語というのは縦書きのほうが映えると思うのだが、小林氏が指摘するように、子供時代からケータイ・フォーマットに慣れ親しんだ人々が増えているのが現在では、その認識は最早あてはまらないのだ。今後は、あらゆるケースでケータイ・フォーマットを意識していく必要があるのかもしれない。

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