サーバ仮想化市場での立場を固めるべくXenSourceとNECが新たな提携を結んだ。
XenSourceは「XenEnterprise」の市場拡大を目指し、NECと新たな提携を結んだ。6月25日に交わされた契約により、カリフォルニア州パロアルトに本社を置くXenSourceは、x86市場でグローバルに事業展開するOEMであるNECと協力関係を確立する。XenSourceは、オープンソースのハイパーバイザープロジェクトであるXenの開発者らが創設した仮想化企業。
NECにとっては、XenSourceとの提携により自社のx86サーバの奥行きを拡大し、顧客の選択肢を増やすことができる。NECは仮想化技術のリーディングプロバイダーであるVMwareとも提携しているが、XenEnterpriseはNECの管理スイート「Sigma Systems Center」でデフォルトの仮想化オプションになる。
さらにNECは、XenSourceのXenEnterprise製品の再販も行う。
XenSourceのアジア事業部のゼネラルマネジャー、ニーマ・ホマユーン氏は電話取材で、「NECとXenSourceは、仮想化技術を市場に効率的に提供する手段としてグローバルな契約を締結した」と語った。
XenSourceは既にStratus TechnologiesやMarathon Technologiesなどの企業と提携を結んでいるが、NECのようなグローバルなプレゼンスを持った企業との提携は今回が初めて。
「これは当社にとって非常に重要な提携だ。グローバルなプレゼンスを持った一流のOEMとの協力関係を築くことは、XenEnterpriseを次世代の仮想化ソリューションの主流技術として確立する一助となる」とホマユーン氏は話す。
VMwareは長い間、x86サーバ向けの各種製品で仮想化市場を支配してきた。しかし最近では、オープンソースの仮想化技術がある程度受け入れられるようになってきた。これは、XenやOpenVZなどのオープンソースプロジェクトがVMwareに代わる低コストの選択肢として成長し始めたことを意味する。
XenSourceに加え、Virtual Ironも自社の仮想化製品でXenハイパーバイザーを採用している。
NECのコンピュータソフトウェア部門のゼネラルマネジャー、イノウエ・カツミ氏は同社の東京本社から取材に応じ、NECはレガシーのメインフレーム技術の時代から仮想化の経験を持っているが、XenSourceとの契約は自社のx86ラインの拡大につながると述べた。
調査会社Gartnerによると、x86市場でNECは2007年1〜3月期、出荷台数ベースで2.3%のシェアを確保し、全世界で5位にランクされた。しかしNECは、同期にx86市場で31%の市場シェアを取った市場リーダーのHewlett-Packardから大きく引き離されている。
XenEnterprise製品をNECのハードウェア/ソフトウェアに統合するのに加え、XenSourceとNECでは、ストレージやネットワーキング製品用の仮想化ツールの開発も始める。
NECによると、同社は8月にXenEnterpriseの出荷を開始する予定で、XenSourceのソフトウェアを組み込んだNEC Sigma Systems Center管理スイートは12月に提供される見込みだという。これらの製品は当初、日本国内で発売され、その後、米国などの海外市場でも販売される予定だ。
XenSourceの仮想化技術を組み込んだNECの管理ソフトウェアのリリースには、XenEnterpriseの最新版(バージョン4.0)が含まれる。ホマユーン氏によると、同バージョンは今夏にリリースされる予定。
両社幹部によると、XenEnterpriseが含まれるSigma Systems Center管理スイートの価格は未定だという。
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