世界最大規模SAPユーザーのIBM、グローバル業務プロセス統合で「ワンIBM」を推進

IBMは、SAPアプリケーションの大規模のユーザー企業の1社だ。同社では2万ユーザーがSAPアプリケーションを利用しているという。米IBM CIOオフィス ディレクターのマイケル・マーティン氏がSAPによる業務プロセス統合について話した。

» 2007年07月05日 07時00分 公開
[堀哲也,ITmedia]

 IBMは、SAPアプリケーションの大規模のユーザー企業の1社だ。同社では2万ユーザーがSAPアプリケーションを利用しているという。日本アイ・ビー・エムとSAPジャパンが7月4日に都内で開催した「IBM/SAP Business Innovation Conference」で、米IBM CIOオフィス エンタープライズインテグレーションアーキテクチャーのディレクター、マイケル・マーティン氏がSAPによる業務プロセス統合について話した。

マイケル・マーティン氏 米IBM CIOオフィス エンタープライズインテグレーションアーキテクチャーディレクターのマイケル・マーティン氏

 「SAPというのは最適な選択肢だった。グローバルで統合化されたビジネスを可能にするにはSAPは非常に重要だ」とマーティン氏は話す。

 IBMは1994年からSAPのERPを使用した業務統合をスタート。営業や製造という限定的な業務エリアで早期プロジェクトを開始し、業務間での類似プロジェクトの統合、部門間で水平統合されたプロセスの統合と順次拡大し、ERPによって業務統合を推進してきた。

 1992年当時、ワールドワイドのIBMには1万6アプリケーションが存在し128人のCIOがそれらを統治してきた状態だったが、ERP導入し業務の統合を進めた結果、アプリケーションの数は約4900まで簡素化、CIOも1人になっている。近年では1つのIBM(ワンIBM)として顧客やサプライヤー対応が行えるよう、グローバル視点でのプロセス統合に着手している最中だ。

 業務統合に向けては、ビジネスユニットごとに業務変革エグゼクティブを定義。また、部門横断で共通化するプロセスを水平統合するプロセス変革エグゼクティブが各プロセスに配置されている。この2者が共同して、最適な業務プロセスを検討し、それをCIOが主導する投資レビュー委員会が管理レビューを行う体制をとっているという。

 グローバルでのプロセス統合に取り組むマーティン氏は「ローカルな視点が重要だとも言われるが、なるべく大きな所からとらえるようにしたい」と話す。

 また、ワールドワイドのIBMが対象となる大規模プロジェクトだが、その推進にあたっては「コミュニケーションと変更管理が最も大切なところ。アイデアやリスク、成功体験をできるだけ共有化する必要がある」と話した。

関連キーワード

BPM | CIO | コミュニケーション | ERP | 業務プロセス


Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

注目のテーマ