ラニーニャ発生で消費はどうなる?――天候と景気の不思議な相関関係景気探検(2/3 ページ)

» 2007年07月11日 07時00分 公開
[景気探検家・宅森昭吉,アイティセレクト編集部]

 7月2日午前8時50分時点の天気は「曇り」。今回の短観も一言で言えば、決して悪くはないが、そうかと言って楽観はできない、つまりパッとしない「曇り」のような内容だった。

 雨が降っていなかったので「良い」と捉えることもできるし、今後天気は良くなると思うがまだ晴れていないので「慎重に判断したい」と言うこともできよう。一部には8月の利上げの可能性が高まったという人も出よう。一方、設備投資計画の上方修正テンポが昨年より鈍いことや、企業の販売価格引き上げの動きが慎重なので、政策金利引き上げには多少の余裕があるという見方もできる。足元の消費など不透明材料の動向をしっかり確認してから9月に利上げ実施の可能性が高まったという人も出よう。筆者の意見は後者である。

 足元の個人消費の動向などが気になるところだが、短観での先行き判断は、業種や規模によってまちまちだ。8月下旬に判明する7月分の個人消費のデータなどで丹念に確認していくことが必要であろう。

 ひと足先に景気の補助信号である身近なデータで確認しておこう。

 身近なデータには総じて明る目のものが多い。

 プロ野球セ・リーグでは、人気球団の巨人が昨年のように交流戦で失速することなく首位をキープしている。巨人の優勝年は景気が良いことが多い。

 また、大学野球でハンカチ王子・斎藤佑樹投手が活躍している。心理面の明るい話題は景気下支え要因になろう。

 4月からの民放の連続ドラマは不振で視聴率20%を超えたのは「プロポーズ大作戦」最終回(20.9%)の1回だけだったが、NHK朝の連続テレビ小説「どんど晴れ」は初回こそ14.9%の低視聴率だったものの、その後おおむね20%超と好調だ。

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