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» 2007年07月23日 10時00分 公開

遅れる中小企業のデータ保護:中小企業のニーズを考え抜いたHPのデータ保護戦略

データ喪失によるリスクは企業規模によって変わるものではない。しかし、価格や使いやすさ、信頼性など中小企業に適したバックアップストレージは少なかった。日本HPは中小企業のビジネスを支援に向けて新たな製品群を発表した。中小企業向けのデータ保護戦略を米HPデータプロテクション&セキュリティプロダクト ディレクターのアダム・シュー氏に聞いた。

[PR/ITmedia]
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 日本ヒューレット・パッカード(HP)は、中小企業市場向けのバックアップ製品として、ディスクバックアップのため仮想テープ装置「D2D120 Backup System」および新世代のDATテープ製品「DAT 160」を発表した。

 これら製品は、中小企業にとって手軽なバックアップシステムを提供しようとするものだ。データの喪失によるダメージは企業の規模に左右されるものではない。特にIT専門のスタッフを抱えず、コストセンシティブな中小企業には、大規模なエンタープライズとは異なるニーズがある。HPは、ディスクとテープを組み合わせた使い勝手の良いD2D2T(Disk to Disk to Tape)ソリューションを提供することで、中小企業のデータ喪失リスクを軽減したい考えだ。

 米HPストレージワークスディビジョンデータプロテクション&セキュリティプロダクト ディレクターのアダム・シュー氏に、同社の戦略を聞いた。

中小企業でも増すデータ喪失の影響

photo 米HP ストレージワークスディビジョン データプロテクション&セキュリティプロダクト ディレクター アダム・シュー氏

 HPは「アダプティブ・インフラストラクチャー」というコンセプトをユーザーに提案しています。これは、ビジネス環境の変化に適応できる24時間365日稼働のデータセンターを実現するため、その基礎となる技術や、製品、サービス、ソリューションを包括的に提供していこうとするものです。その中でも、データ保護とデータセキュリティは中核的な存在であり、極めて重要な位置付けとなっています。

 HPでは、エンタープライズを対象とした製品やサービスの開発に加え、中小企業向けのソリューションにも積極的に取り組んでおり、データ保護関連のラインナップとしてもさまざまな製品を提供しています。

 企業の規模によらず、データ保護の分野には共通のニーズが存在します。企業が扱うデータ量は増大しており、これは企業の大小に左右されるものではありません。つまり、データ保護は中小企業でも同様に重要性が高まっています。システムに障害が生じ、データにアクセスできなくなれば大きな打撃を被ります。中小企業でもインターネットを活用したビジネスを展開することが増えていますが、Webサーバやその背後のDBサーバに障害が起これば、事業はストップしてしまいます。企業の規模が小さければ影響も小さい、などということはないのです。

 しかし、企業の規模によって変わってくる要素ももちろんあります。最大の違いは、中小企業ではシステム環境、リソース、予算が限られるという点です。企業規模が小さい場合は通常システム環境も小さくなります。典型的な小規模企業のITシステムは、数台のサーバとPCが設置されている程度で、オフィスの外にデータセンターを用意している例はほとんどありません。そのため、データセンターでの運用を前提とした多くの製品は、中小企業にとっては非常に使いにくいものとなってしまいます。

 リソースの面では、ITに携わる専任スタッフがいませんし、当然、ITシステムにかけられる予算額も相対的に小さくなります。特に小規模企業はコストに対して非常にセンシティブであり、ITシステムを導入したらすぐにその効果が現われるという投資に対するリターンを短期的に求める傾向が強くあります。小規模企業ではキャッシュの確保が大規模企業以上に重要となるからです。これらの理由から、中小企業向けの製品やサービスは、シンプルで使いやすいものである必要があります。

 大規模企業でも同様の要求が強くありますが、中小企業向けの製品では信頼性の高さも別の意味で求められます。中小企業には専任のITスタッフがいないため、ITシステムを扱う人は同時に本来のビジネスにも携わっており、導入したITシステムをあれこれ心配している余裕はありません。運用に手間の掛かるシステムでは、この市場のユーザーを満足させることはできません。

 HPが新たにディスクバックアップシステムとなる「D2D120 Backup System」および最新世代のDATテープ装置「DAT160」を発表したのは、このような中小企業のビジネスを何とか支援したいと考えたからです。これらの製品の開発にあたっては、シンプルかつ安価に利用でき、充分な信頼性を備えた設計とすることに留意しました。


店舗販売からグローバルビジネスへ 変わる中小企業に求められるデータ保護製品

 中小企業とは言っても、現在ではインターネットを駆使しそのビジネスは全世界を対象に24時間365日連続稼働していることは珍しくありません。また、中小企業でもビジネスで扱うデータ量が急増しています。

 このバックアップ製品のユーザーには、英国の小さな町で独自のデザインのサッカーシャツを販売していた商店もいます。この商店は実店舗でのビジネスが思わしくなかったので店を閉め、完全にオンラインでのビジネスに移行しました。店舗でビジネスをしていたころは、周囲15キロメートル程度が商圏という小さなローカルビジネスでしたが、オンラインに移行したことで、全世界に顧客を持つグローバルビジネスに変わっています。

 今も店主1人が仕事をしている小さな店であることには変わりありませんが、インターネットを通じて24時間365日絶え間なく注文が飛び込み、商品を全世界に向けて発送する必要があります。10年前には考えられなかったような状況が、現在では当たり前に起こっているのです。

 このような中小企業のビジネスを支援するには、ITシステムも変化しなければなりません。データセンター向けの製品では彼らの要求には対応できないのです。

photo HP StorageWorks D2D120 Backup System

 こうしたユーザーにとってD2D2T(Disk to Disk to Tape)という手法は、最良のバックアップソリューションとなります。まずはディスクを使うことで迅速にバックアップ作業が完了し、問題が生じたときにも素早くリストアできる。障害に対しては、1日分のデータ喪失を許容できるということであれば、毎日1回テープにそのデータをバックアップし、別の場所に保管しておくことでデータを安全に保全できます。

 しかし、中小企業で大きな問題となるのは、ユーザーのバックアップに対する意識が低いことです。エンタープライズのユーザーは、データ保護の重要性については当然のこととして理解していますが、こうしたユーザーがバックアップの重要性に気付くのは、残念ながら深刻なトラブルでデータが失われたときなのです。

 HPはパートナーと共にバックアップの重要性を広く訴える努力もしていますが、最初の段階で少々の投資を行なってデータ保護をしておけば、いざというときに深刻な被害を防ぐことができます。

 既にお話ししているとおり、HPは、中小企業ユーザーに必要な製品は必ずしもエンタープライズ向けと同一ではないと考えています。中小企業向けにはシンプルで使いやすく、信頼性が高い、運用に要するコストが少なくて済むようなテクノロジーを提供するよう努力を続けています。競合企業の中には、エンタープライズ向けの製品を単にパッケージングだけを変えて、中小企業に提供しているところもありますが、中小企業に最適なソリューションを用意している点でHPのほうが優れていると自負しています。

バックアップはテープとディスクの使い分けがポイント

photo  HP StorageWorks DAT160

 またテープの技術は今後も進化し、低コストで大容量のデータを保存するための最適な手段であり続けます。HPとしても、長期にわたってテープ技術への投資を継続していきます。

 競合の中にはディスクベースバックアップを強調する一方、バックアップソリューションの中にテープを含めない例も見受けられるようですが、こうした提案はユーザーに対して間違った理解を植え付ける行為ではないかと不安を感じています。

 テープが現在も重要なバックアップソリューションであり続ける理由は、まず火災や水害のような場合には、ITシステム全体が被害を受けるリスクがある点です。ディスクバックアップは、通常バックアップしたITシステムと同じ場所に設置されるため、火災の場合は同時に被害を受ける危険性が高いのです。

 一方、コピーしたデータをテープで離れた場所に保管しておけば、データを救うことができます。ウイルスなどの不正プログラムによってディスク上のバックアップデータが書き換えられることもあり得ますが、オフサイトに保存してあるテープが知らないうちに書き換えられることはまず考えらません。

photo 中小企業に必要な製品は必ずしもエンタープライズ向けと同一ではない」とシュー氏

 環境面でも、ディスクバックアップは常にディスクを回転させておくことになり、電力や冷却設備が必要になります。それに対し、テープを保存するために必要なエネルギーはごくわずかです。長期的な保存を考えた場合には、特にディスクに対するテープの優位性は明らかです。中小企業にとってもコンプライアンス(法令順守)の観点から、特定のデータに対して長期保存を義務付ける動きが強まっています。こうしたデータの保存にディスクを利用するのはコスト面で適切とは言えません。

重要なのは、適切な技術を適切な場面に適用することです。HPでは、テープ技術に関しても中小企業向けのDAT、エンタープライズ向けのLTOと、それぞれ今後2世代分のロードマップを策定して、技術開発に取り組んでいます。ディスクベースバックアップにもメリットはありますが、ディスクからディスクへのデータ保存は単なる「コピー」であり、本来的な意味での「バックアップ」とは言えません。

 データを安全に保全する手段としては、コスト面でも安全性の面でもテープにはまだまだ優位性があります。中小企業にとってD2Dとテープを組み合わせた“D2D2T”こそ、安全かつ使いやすいバックアップソリューションとなるはずです。

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『中小企業のデータを守る「手軽さ」を追求したストレージ』

企業の大きな課題であるデータバックアップ。安く、簡単に、そして確実に企業のデータを守る、中小企業に最適なディスクバックアップソリューションを紹介しよう。

 年々増加する企業データ。データのバックアップとリストアは、約75%のIT管理者が早急に取り組むべき課題だと認識している。しかし企業のIT管理者の数は限られており、特に中小企業では専任のスタッフで管理できずに、データ保護がおろそかになっていることも多いのではないだろうか。
 バックアップの手法はDDS/DATやLTO Ultriumといったテープ媒体を利用するのが主流であるが、近年、シリアルATA規格のHDDの低価格化や信頼性の向上により、ディスクバックアップが急速に普及しつつある。テープとディスク、それぞれのメリットを生かせるようなデータ保護のあり方とは何か。このWebキャストでは、コストと手間の問題を一挙に解決する、ディスクバックアップソリューションを紹介しよう。


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提供:日本ヒューレット・パッカード株式会社
企画:アイティメディア営業本部/制作:ITmedia エンタープライズ編集部/掲載内容有効期限:2007年8月22日