Mozillaから特定サイト用ブラウザWebRunnerが誕生Firefox Hacks(2/2 ページ)

» 2007年07月28日 13時07分 公開
[Joe-'Zonker'-Brockmeier,Open Tech Press]
SourceForge.JP Magazine
前のページへ 1|2       

WebRunnerの入手と実行

 WebRunnerを入手するには、Mozilla wikiのWebRunnerページへ行き、自分のプラットフォーム用の適切なインストーラを取得すれば良い。Linux用、Mac OS X用、Windows用の各パッケージかソースコードを選ぶことができる。

 Linux上では次に、tarballを展開し、インストーラを実行する。あるいは、WebRunnerを置いておきたい場所でtarファイルを展開して、そこから実行するようにしても良い。わたしはこの方法で行なった。

 webrunnerディレクトリの中には、(当然ながら)webrunnerという実行ファイルがある。また、.webappという拡張子のファイルが幾つかある。このファイルによってどのサイトを実行するのかをWebRunnerに伝えたり、WebRunnerの動作を制御する幾つかの追加のパラメータを指定したりできる。WebRunnerの起動は、例えばGoogle Readerの.webappの場合、以下のようにして行う。

./webrunner -webapp greader.webapp


 起動はこのように非常に簡単だ。もちろんMozillaの開発者たちがあなたの下にやって来て代わりに起動してくれるというならもっと簡単になるのかもしれないが……。Google Readerは通常のブラウザの場合と同じように実行されるので、心ゆくまでフィードを閲覧できる。なおGoogle Readerの外部のページを開くリンクをクリックした場合には、ユーザーのデフォルトのブラウザ(わたしの場合はFirefox)で読み込まれる。

 Mac OS XではWebRunnerをインストールすれば、どれでも.webappファイルをクリックするだけでWebRunnerを起動することができる。おそらくWindowsでも同じように起動することができると思うのだが、今回はWindowsでは試してみなかった。

自分の.webappファイルを作成する

 付属の.webappファイルのどれにも入っていないサイトを実行したい場合にはどうすれば良いだろうか? そういう場合も問題はない。自分でカスタマイズした.webappファイルを作成すればよい。

 フィンクル氏はGoogleのサービス用の.webappファイルをサンプルとして幾つか提供しているが、WebRunnerでGoogle 以外のサイトを利用したい場合でも、好きなテキストエディタを使って1、2分程度調整するだけで、自分用の.webappファイルを簡単に作成できる。それでは以下のサンプルを見てみよう。

[Parameters]

uri=http://www.linux.com/

icon=linuxcom

showstatus=yes

showlocation=no

enablenavigation=no


 uriというパラメータは、名前が示している通りなので、読み込みたいURI/URLを指定すれば良い。WebRunnerはSSLをサポートしているので、セキュアな接続を行ないたい場合にはURIにhttpsを使用できる。

 iconパラメータは、WebRunnerの当該インスタンスのアプリケーションアイコンとして使用されるアイコンだ。アイコンはwebrunnerディレクトリの下のchrome/icons/defaultにXPixMapファイルとして保存されている。アイコンがない場合には「webrunner」と指定しておけば、システムはデフォルトのWebRunnerアイコンを使用する。

 さらに、showstatus、showlocation、enablenavigationの各パラメータを設定することで、WebRunnerの動作をカスタマイズできる。showstatusを有効にしておくと、WebRunnerはブラウザウインドウの下部にステータスバーを表示する。showlocationを有効にしておくと、URIを表示する。ただしURIを変更することはできない。Firefoxを普通に実行した場合とは違って、WebRunnerではロケーションバーは表示のみで編集はできない。WebRunnerにはナビゲーションバーはないが、enablenavigation=yesと設定しておけば、ホットキーを入力することで、閲覧履歴を通して前のページに戻ったり先のページに進んだりすることができる。

プラグインを有効にする

 WebRunnerを使って最初にすぐに気がついた点として、わたしのシステムにはFlashがインストールされていたにもかかわらず、 WebRunnerがFlashを認識しないということがあった。Linux上のWebRunnerでFlashを有効にするためには、webrunner/xulrunner/pluginsの中にflashplayer.xptとlibflashplayer.soとをコピーするかリンクしておいてWebRunnerを再起動すればよい。

 拡張は今の時点ではまだサポートされていない。WebRunnerのインタフェースを使用して拡張をインストールする方法はなく、また手動で拡張をインストールする方法の説明も見当たらなかった。しかし拡張のサポートはWebRunnerのロードマップに記載されているので、今後リリースされるバージョンのWebRunnerでは利用可能になるはずだ。

 WebRunnerはまだ開発初期の段階にあるが、大きな将来性を感じさせるアプリケーションであり、現在でもすでに便利に使うことができる。「特定サイト用のブラウザ」には数多くの興味深い利用事例が考えられる。Firefoxコミュニティーからこのようなプロジェクトが誕生したことをうれしく思う。

前のページへ 1|2       

Copyright © 2010 OSDN Corporation, All Rights Reserved.

注目のテーマ