ブログツールはプラットフォームの世代へ――Movable Type 4レビュー(2/3 ページ)

» 2007年08月10日 11時00分 公開
[石坂 渉,ITmedia]

 管理できるファイルもテキストや画像だけにとどまらず、ムービー、MP3ファイルなどのリッチメディアファイルも幅広くサポートしており、これらをテンプレート上で使用するためのテンプレートタグも導入されている。このことは、標準機能としてポッドキャスティングの配信に対応した、といった面でも見ることができる。

バックアップ画面(画像クリックで拡大画面)
アイテム管理画面(画像クリックで拡大画面)

 さらに、MT4-jaではフォルダを作り、管理することができるようにもなった。

 これにより、画像とエントリー、ページを一つにまとめて管理する、といったことがMovable Typeの管理画面から行える。フォルダはそのまま公開されるURLにも反映されるため、Webサイト全体をMovable Typeで管理することができるようになった。

フォルダ管理画面(画像クリックで拡大画面)

 これらのほかにも、投稿にコメントが書かれた場合、MT4-ja上からそのコメントに対してレスポンスを記入することができるようになったり、呼び出し時に動的にページを生成するダイナミックパブリッシングの際、アーカイブ/テンプレート単位でその実行条件を選択できるなど、さまざまな変更が加えられている。

コメントへのリプライ画面(画像クリックで拡大画面)
ダイナミック・パブリッシング設定画面(画像クリックで拡大画面)

静的なWebページも生成可能に

 MT4-jaではブログのエントリーとは別に、Webページを作成、管理できるようになった。これはインデックス・テンプレートの拡張として、ブログのテンプレートをベースとして書き出されるHTMLページであり、ブログ下に置かれるものの、投稿とは区別した管理になる。なお、設定によってコメント、トラックバックを受け付けるようにすることができるが、RSSは出力されない。

 ブログを中心としてWebサイトを構築していると、必ずしもブログで作る必要性のないページがあるはずだ。そのようなものはWebページ(1つのHTMLファイル)として、今後はエントリーとは別にMovable Typeで作成、管理すればよい。このことから、これまでよりも包括的なサイト管理ができるようになったといえる。

Webページ作成画面(画像クリックで拡大画面)

大幅に変わったユーザーインタフェース

 MT4-jaで最も大きく変化したのが、ユーザーインタフェースである。これまでもプラグインを導入することでリッチスタイルでの入力や投稿がサポートされていた。しかしMT4-jaでは、標準構成でインタフェースが抜本的に見直され、リッチスタイルにとどまらず、マークダウンなどのさまざまスタイル入力ができるようになった。

 また、書き込んでいる途中の記事、テンプレートはオートセーブ機能によって逐次保存されていくため、書き込んでいる最中に投稿内容が失われる、といったことも今後少なくなっていくことだろう。

記事作成画面(画像クリックで拡大画面)

 これは何も記事を書く段階だけではなく、テンプレート開発の環境などにも反映されている。

 テンプレートの編集画面では、これらの機能のほかにも、よく使うコードをプラグインとして登録すると、テンプレート編集画面で呼び出して利用することができるようスニペット機能や、Syntax Hilightと呼ばれるテンプレートタグをハイライトする機能、テンプレートタグのスペルチェックなど、革新的な変更が幾つか加えられた。

 また、MT4-jaではブログを構成するテンプレートの管理自体が大幅に変更され、標準テンプレートもモジュール構成を基本とした内容になっている。もちろん、これまで使用してきたテンプレートをそのまま使用することもできるため、開発方法の多様化という意味で大きな意味を持つ進歩と言えるだろう。

Webページ作成画面(画像クリックで拡大画面)

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