コラム
» 2007年08月13日 06時00分 公開

エンジニアとお盆休み (2/2)

[山口陽平,ITmedia]
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 仮想環境にLinuxを導入するのはハードルが高いという人でも、viやgrepならばWindows上で学ぶことができる。普段使用するテキストエディタをvi風に操作するものにしたり、grep検索が可能なものに変更したりしてみてはどうだろうか。

 一方、商用UNIXの環境はライセンスやハードウェアの制約から自宅に作ることが難しい。そのような場合は会社で積極的に先輩に帯同して作業を観察したり、自分の作業を見てもらったりすると新しい発見がある。また、サーバ部品の交換などに際してはハードウェアメーカー所属のエンジニアに作業を依頼することがある。作業に来るメーカーのエンジニアは特定の製品に関して深い知識と技術を持ち合わせていることが多い。

 先方に迷惑でなければ、どのようなコマンドを用いるか、どのようなチェックリストを使用しているかなどを教えてもらうことは大いに勉強になるだろう。日頃気になっていることを質問してみるのも良いかもしれない。自社製品に誇りを持って仕事をしているエンジニアであれば、そのような質問には快く応じてくれることだろう。

情報処理技術者試験合格のコツを伝授

 夏休みの期間を自己のスキルアップのために活用するならば、平成19年10月21日(日)に実施される情報処理技術者試験の勉強を推奨する。

 この春に何らかの試験区分にチャレンジしたという人も多いはずだ。中でも基本情報技術者は入社して何年か以内に取得することをルール化している会社も多い。この春に基本情報技術者の試験に合格できなかった人は、秋に向けて学習を進めていく必要がある。

 基本情報技術者の試験は午前と午後に分かれる。午前は情報システムに関する幅広い知識が問われる形式となっている。午前試験の問題はコンピュータ科学基礎、データベース、ネットワークなどの8区分から過去問題を中心に出題される。基本情報技術者試験ではそのうちの7区分が試験範囲となる。

 午前試験の過去問題に取り組む際はそれぞれの区分ごとに正答率などのデータを記録して分析しながら進めるとよいだろう。ただしエンジニアとしての今後を考えた場合、合格を最優先にして不得意分野を切り捨てることは避けたほうがよい。基本情報技術者試験を一刻も早く取得するようプレッシャーをかけている人も少なくないだろうが、自分の将来を考えて焦らず苦手分野を克服していくべきだ。

 午後の試験では、高度な知識を問う問題と擬似言語およびプログラミングの問題が出題される。このうち高度な知識を問う問題は午前試験の学習量が影響する。午後試験では過去問題と全く同じような問題が出ることが少なく、午前試験の学習で得た知識を活用して解答するパターンが多い。午後試験のためにもなると思って午前試験の学習には注力してほしい。

 擬似言語およびプログラミングの問題では、アルゴリズムの知識が問われる。この分野はプログラミングに縁の無かった人にとってはハードルの高いものである。どうしても苦手な場合は、ループをすべて展開して筆算し、机上実行して解答することも不可能ではない。しかしこれも今後のことを考えれば望ましい手法ではない。どんなプログラムも条件分岐と繰り返しから構成されることをイメージして、論理的な解答ができるまで実力を磨いて欲しい。

コンピュータに感動する

大切なことは“感動”の心を持ち続けること

 休みの日にはコンピュータが実現する多くのことに驚き、感動してほしい。オンラインバンキングで両親に仕送りをしたり、米国に留学中の友人とビデオチャットをしたり、YouTubeやニコニコ動画で涙を流して笑ったりしてほしい。オフィスソフトで文章を作ったり、インターネットで調べ物をしたりする便利さを実感している人は数多くいるが、コンピュータの世界では現在進行形でもっと多くの感動や驚きが作り続けられている。システムエンジニアの役割は、システムの構築を通じてそのドキドキやワクワクを世の中に提供していくことだ。

 「やっぱりコンピュータって便利だね」「コンピュータを使うと仕事が楽しいね」という感情の事をユーザーエクスペリエンスと呼ぶ。ユーザーエクスペリエンスを実現するためには、私たちシステムエンジニア自身がコンピュータにドキドキワクワクしていなくてはならない。この驚きや感動をほかの誰かにも感じてほしいというエンジニアの思いは、良いシステムを作る原動力になるだろう。

 私はこの気持ちを「エンジニアエクスペリエンス」と呼んでいる。コンピュータにはそのような感動や驚きがよく似合うと思う。コンピュータを使ったことが無い人、大変な仕事に苦労している人、コンピュータにロマンを抱いている人、そういった人々に最高のエクスペリエンスを提供できるよう、我々もコンピュータに感動する夏休みを送ろう。

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