「あ、パッチ、パッチ」と言うけれど女性システム管理者の憂鬱(1/4 ページ)

ソフトウェアの不具合や脆弱性の修正に、もはやパッチは欠かせないもの。ただ、パッチの検証に慎重を期したつもりでも、適用後、想定外のトラブルに見舞われることもある。

» 2007年08月14日 07時00分 公開
[高橋美樹,ITmedia]

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 ソフトウェアのトラブル発生時に、メーカーのサポート担当から、パッチの適用を案内されることは珍しくない。多くの場合、ソフトウェアの設定変更だけでは回避できない致命的なトラブルや、ソフトウェアに発見された新たな脆弱性を修正するためには、パッチの適用以外に解決の道はない。

 個人使用のPCであれば、パッチをダウンロードしてインストールするというわずかな手間で済むが、会社全体に影響を与えるサーバやクライアント管理を行っているシステム管理者にとっては、かなりの負担となる。最悪の場合、パッチの適用によりほかのプログラムが影響を受け、何千人、何万人に影響が及び、トラブル対策のはずがまた新たなトラブルを生むことにもなってしまう。

「パッチを利用してください」で即解決?

 わたしはシステム管理者になる以前、ウイルスソフトメーカーのコールセンターでユーザーサポートを担当していた。そこでは、ウイルスについての問い合わせから、ソフトウェアの使用方法、さらには導入後PCの動作が重くなったといったクレームまで、日々さまざまなユーザーの声に接していた。

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 セキュリティ対策のソフトウェアでは、監視機能を強化すると、ほかのPCの動作に影響が出ることも多い。また、世にある多くのソフトウェアの中には、どうしても相性が悪いものもあり、そういったトラブルを解消するために、多くのパッチが公開されていた。

 コールセンターでは、パッチが公開されている不具合の問い合わせを受けると、当たり前のように「パッチをご利用ください」と案内していた。そんなときには、ユーザーが一生懸命にトラブルの症状を説明しているうちから、頭の中で「あ、パッチ、パッチ」と早くも解決したつもりになっていた。

 しかし、自分がシステム管理者になってからは、そのパッチを適用すること自体、いかに大変な作業であるかを思い知らされることになる。

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