IDC Japanは、WAN高速化/最適化製品の国内市場動向について調査リポートを公表した。
IDC Japanは8月21日、WAN高速化/最適化(WANアプリケーション配信)製品の国内市場動向に関するリポートを発表した。同社の調査によると、2011年には110億円規模にまで成長するという。
IDCでは、データストリームの圧縮、トラフィックフローの監視、トラフィックの優先度付与、帯域最適化、キャッシングなどの機能によりWAN通信を最適化する製品をWANアプリケーション配信製品と定義している。
リポートでは、WAN高速化製品に関心が集まる要因として、サーバ統合や企業システムのWeb化、DRサイトへの大容量のバックアップなどで、WAN越しの業務アプリケーションの利用機会が増加したと分析。
また市場動向については、パケッティア、ジュニパーネットワークス、ブルーコートシステムズ、リバーベッドテクノロジーといったベンダーが2006年の国内市場を牽引し、2007年は市場が導入期から成長期に移行する段階として、対前年比45%という高い成長率で規模が推移するとみている。さらに2006年から2011年にかけては、年間成長率が14%とゆるやかな伸長をしながらも、2011年には110億円の規模に達するとしている。
ただしIDCは、回線速度の向上やサーバの性能向上、およびそれらのコスト低下が、WAN高速化製品の有効性を無効化する可能性もあると指摘。今後も市場を拡大していくためには、回線速度増やサーバ増強という手段に対して、具体的なROI(投資対効果)での優位性を訴求しなければならないという。「現時点でWAN高速化製品は、こうした対抗手段に対して圧倒的に優位な立場には立っていない」(IDC Japan)。
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