comScore、ブログ読者の調査に乗り出す

米調査会社comScoreが、人気ブログと無名ブログ、一部ソーシャルネットワーキングサービス(SNS)の読者数をカウントする調査を始める。

» 2007年09月14日 17時35分 公開
[Clint Boulton,eWEEK]
eWEEK

 公式発表:ブログはメインストリームになった。

 顧客の要望に応え、米市場調査会社comScoreは9月11日、「Conversational Media Report」でブログサイトの読者数を調査すると発表した。この報告書は、人気ブログと無名ブログ、一部ソーシャルネットワーキングサービス(SNS)の読者数をカウントする。

 comScoreに電話とメールでコメントを求めたが回答はなかった。だが同社は発表文で、Federated Media Publishing(FMP)と協力していると述べている。FMPは検索ブロガーのジョン・バテル氏が興した会社で、広告主が新規の取引先Webサイトを見つけるのを支援している。

 だがcomScoreは、同社の調査手法についての説明で、調査員がブログトレンドを調査した結果、ブログ読者に固有の特徴とトレンドがあり、彼らのオンラインでの行動を測定するには「特別仕様の予測方法」が必要になることを発見したと述べている。

 「対話的メディアサイトに頻繁にアクセスする人は、特に、一般の消費者にはあまり見られない特定のニッチなオンライン行動を示す」と同社は述べている。同社は、大手ブログパブリッシャーのログデータで構成されるベンチマークで読者数を確認する。

 Forrester Researchのシャーリーン・リィ氏はeWEEKに、この動きは、企業がブログ上で広告を販売できるようになるのに十分なトラフィックがブログに集まってきていることを示していると語った。

 「実際にどのくらいの人がブログを読んでおり、誰が読んでいるのかが分かり、もっと効果的にブログを利益につなげられる」とリィ氏は語り、数百万人の読者を持つブログもあると述べた。「パブリッシャーには読者データが必要だ。広告主にもだ。ブログを駆動する経済活動は広告であり、サードパーティーによる指標がないと収益化できない」

 リィ氏は社会的な観点から、comScoreの報告書は「エゴの爆発」になるだろうとし、Technoratiのウォッチリストの上位100位のブログは、最もトラフィックが多いブログではないかもしれないと指摘した。Technoratiは現在、1億440万のブログ、2億5000万を超えるタグ付きエントリを追跡していると主張しているが、ブログのトラフィックは調査していない。

 comScoreのConversational Media Reportは、同社のMyMetrixインタフェースでカスタム報告書として提供される予定だ。

 comScoreは以前からカスタム報告書を提供しており、これはインターネット上でコンシューマーが情報を探したり、コミュニケーションする方法の進化する性質を反映している。また同社は、検索市場の幅広い調査法「qSearch」、オンラインビデオの調査報告「Video Metrix」、ウィジェット利用を調べる「Widget Metrix」も提供している。

 comScoreがqSearchを発表したとき、検索市場で50%を超えるシェアを占めるGoogleを有利にするとして、賛否さまざまな反応があった。例えばqSearchは、YouTubeをGoogleの検索結果の一部としてカウントする。同サイトが従来型の主要検索サイトでなくてもだ。

 Conversational Media Reportのニュースが流れたのは、多数の新興企業やWeb2.0の専門家とファンがサンフランシスコのOffice 2.0カンファレンスに参加した1週間後のことだった。このカンファレンスでは、ブログ、Wiki、マッシュアップなどのコラボレーション技術が主なテーマとなった。

 このイベントのセッションで、Merrill Lynchでさまざまな事業部門へのWeb2.0技術の導入を進めているアダム・カーソン氏は、ブログはメインストリームになったと宣言した。

 「上級管理職のオフィスに行ってブログやWiki、SNSの話をしても、門前払いをされる心配がなくなった。2年前はそういう心配があった」(同氏)

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