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» 2007年09月19日 06時00分 公開

仮想化環境で高い可用性を実現する構成例仮想化の達人(1/2 ページ)

サーバの仮想化が企業システムで採用されるようになってきた。しかし、「仮想化技術を導入したのに、期待した成果が上がらない」ということにならないよう、仮想化の導入を失敗させないための想定問答集をお届けしよう。

[西尾泰三,ITmedia]

このコンテンツは、オンライン・ムック「仮想化の達人」のコンテンツです。関連する記事はこちらでご覧になれます。


質問

従来から本番サーバとその待機サーバという2台の物理サーバを用いたクラスタ構成でシステムを運用しています。しかし、コスト削減の観点から、これらの配置を最適化するために仮想化技術が活用できないかと考えています。仮想化技術を用いた際の効果的なクラスタ構成を教えてください。


回答

本番サーバと待機サーバによるクラスタ構成は、万が一本番サーバが停止しても、その処理を待機サーバに引き継ぐことが可能なため、高い可用性が求められるシステムではよく用いられます。

 本番サーバと待機サーバによるクラスタ構成のデメリットは、本番サーバに対して待機サーバを用意する必要があり、台数としては2倍必要となってしまうことです。しかし、実際にはサーバが停止してしまう確率は低く、結果として待機サーバが稼働することがほとんどないことを考えると、改善の余地があります。

 ご質問は、仮想化環境を用いて、コスト削減と高い可用性の維持を両立できるかどうか、ということだと思います。ここでは、ブレードサーバと仮想化技術を組み合わせたシステムを提案したいと思います。

 プロセッサの省電力化が進んだ昨今、高性能なプロセッサを搭載したブレードサーバも登場するようになりました。クアッドコア インテル Xeon7300番台を最大4個(16コア)搭載可能なHP ProLiant BL680c G5などがそれです。また、ブレードサーバが持つ高密度性や拡張性などを考えると、ブレードサーバは配置の最適化を考えるに当たって有効なハードウェアとなります。

 しかし、従来のサーバを単にブレードサーバに移すだけでは、各ブレードのハードウェアリソースを効率的に使い切るまでには至らないでしょう。ここで、仮想化技術を組み合わせることで、本番系と待機系のサーバを一部共存させることなどが可能になり、本当の意味での配置の最適化が図れます。また、結果として、サーバの設置面積の減少と省電力化も望めることになります。

 ここで、仮想化技術は複数の物理サーバの統合を可能にしますが、半面、1台の物理サーバに統合することで、そのハードウェアが故障した際の被害はこれまでよりも深刻なものになります。このため、可用性に対する考慮が重要となるのは言うまでもありません。

 本番サーバでERPなどの業務アプリケーションやデータベースなどを運用している場合、パフォーマンスや信頼性といった観点から、本番サーバに仮想化技術を導入することはまだまだ少ないのが現状です。ここでは、こうした事情もふまえ、基本的な構成案を幾つか紹介しましょう。なお、実際の構成においては、別シャーシ上の仮想サーバ間でクラスタ構成を組むなども検討されることをお勧めします。

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