新米ITマネジャーが知っておくべきことマネジャーの教科書(2/3 ページ)

» 2007年09月19日 08時20分 公開
[Ken-Myers-&-Zev-Feldberger,Open Tech Press]
SourceForge.JP Magazine

上司をよく知る

 上司は、あなたがプロジェクトを成功させるために必要とする多くのこと、すなわちサポート、予算、情報、承認、昇格などの提供元だ。そしてあなたが上司から提供されたそのようなものをうまく活用できれば、上司は良い印象を持つということも事実だ。上司とあなたの関係は重要であり互助的であるため、上司と早期に親しくなってうまく協力し合うことは両者にとってプラスになる。ただし、この関係がうまくいくかどうかはあなたにかかっているということに注意しよう。従って上司に対して情報を提供し続けて、上司が問題の不意討ちをくらうことがないことを徹底し、誠実な態度でやり取りを行ない、締切を常に守るようにしよう。

 また上司が好むやり方――例えば報告は電子メールで十分なのか、どれくらいの頻度で対面で話し合うべきなのかなど――を確かめておいて、常に時宜を得たフォローアップをしよう。あなたとあなたのチームが堅実な作業を行ない、予算内でスケジュール通りに課題を完了でき、全体的に「決められた通り」にうまくやることができれば、上司は良い印象を持つのだということを心にとどめるておこう。この点では、ずっとあなたをサポートして指導してくれた上司の功績も正当に認めるようにしよう。また当然のことながら、上司に対して批判的な意見を公に言うことはどんなことがあっても避けるようにしよう。同僚のことを悪く言うのと同じように、そのようなことをすると自分に返ってきて自分が苦しむことになる。

尊敬される

 プロフェッショナルなIT環境では通常は、技術的な能力が高いと明らかになったときや、チームをうまく統率したときや、プロジェクトがうまく完了したときに尊敬される。一般的に、最初のうちは上司/同僚/チーム/顧客などからの尊敬を獲得しやすいものだが、そのような都合の良い期間はすぐに終わってしまう。この期間を賢明に利用しなければならない。というのも、良い第一印象を与えるためのチャンスは二度とはないためだ。とはいえ、完璧な人などいるわけはない。そしてマネジャーや監督者がそのことを認めて少しの手助けを求めることができたときに、非常に尊敬されるという場合もある。

体系化する

 知っておくべきことをチームが正確に把握できるように、明確なガイドラインを作成しよう。例えば、必須の労働時間や、遅刻したり休みを取る必要が生まれた場合にどうすれば良いのかを定義しておく。また追加の作業が必要となった場合のために、追加の作業に対する報酬についても明確にしておこう。さらに、プロジェクトの生産性を高めるように作業量の負担のバランスを考えよう。このことは新しいチームにあなたがフェアだとみなされるために重要なポイントだ。

 チームのメンバーに対しても顧客に対しても、通常の場合に仕事の受注や優先順位づけがどのように行なわれるのかについてと、作業完了の締切がどのように設定されるのかについて明確に説明しておこう。特に、顧客からの好意的な評価と不満との両方がどのように取り扱われるのかをチームのメンバーに徹底的に理解させておこう――積極的に顧客を尊重するための方法について、不明瞭な点がないように明確にチームのメンバーに対して示しておこう。またチームのメンバーには日常的に、会社や組織に義務付けられていること以上のフィードバックや必要なカウンセリングを提供するようにしよう。

目標とマイルストーンを設定する

 うまく行っているグループでは、進捗と成功度を測定するための基準が重要な役割を果たしている。そのような測定基準は、問題の早期発見にもつながり、問題の早期解決にもつながりやすい。技術的なプロジェクトでは、進捗を測るための明確な基準が最初からあるとは限らないが、それでも便利な測定基準を収集して進捗を把握できるように、マイルストーンやベンチマークを確立することが重要だ。例えばシステム全体の完成はまだ先のことであったとしても、特定の「機能」についてはプロジェクトの開始後1カ月でテスト可能な状態になっているように命ずることなどができるだろう。進捗のレビュープロセスは、適切なチームメンバー(当然ながら上司も含む)と協力して、意味のあるものを確立するようにする。目標やマイルストーンを設定する際には、その実現の成否によってあなたの信頼性が問われることになるため、楽観的な見通しをして過剰な約束をしないように気をつけよう。繰り返すが、あなたの信頼性がかかっているのだ。

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