新米ITマネジャーが知っておくべきことマネジャーの教科書(3/3 ページ)

» 2007年09月19日 08時20分 公開
[Ken-Myers-&-Zev-Feldberger,Open Tech Press]
SourceForge.JP Magazine
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チームを認めて育てる

 プロジェクトの作業のほとんどは、あなた一人の手によるのではなく、あなたの新たなチームによって行なわれる。チームが成し遂げる高品質の成果というものは、決して自動的に得られるものではなく、マネジャーや監督者としてのあなたの賢明な努力を通してはじめて得られるものなのだ。従って、褒めたり報酬を与えたりすることと、不十分な結果に対する心からの建設的な批評を与えたりすることを、機敏に行うようにしよう。また、個人的な成果とチームによる成果を両方とも認めて評価するようにしよう。

 革新やチームのメンバーの個人的な成長を促進するために、高品質な指導やサポートを提供できるようになろう。あなたのチームのメンバーがプロフェッショナルとして成長するチャンスが制限されてしまうと、独創的な解決法が生まれるのが阻害されるだけでなく、個人のやる気もチーム全体のやる気も阻害されてしまう。そこでプロジェクトの期間中は、定期的に「ピザの昼食会」や同様のくだけたチームの集まりなどで、人間的なつきあいをすることを検討してみるのも良いかもしれない。

賢明に信用する

 あなたの新たな部下/同僚/上司を信用するということは、基本的にはそのようにすべきということであり、盲目的に良しとすべきことではない。あなたのチームのコミュニケーションは大切だが、何か違うと「感じた」場合には自分の直感を信じるようにしよう。信頼に影響を与える恐れがあるような、あいまいな状況を明確にするためには、適切な知識を持つと思われる複数の人物に補足の質問をするようにしよう。これにより、信憑性が高いと考えられる別の角度からの見識を得た上で、必要な対処策を立てることができる。なお(おそらく専門用語だらけの)技術的に非常に高度な回答を得た場合には、普通の言葉で言い換えてもらうようにお願いして、答えを追求し続けることを躊躇しないようにしよう。

 信頼は、ベンダーとの関係においても同じように重要だ。ベンダーは通常、サービスや製品を売ろうとしているため、自分たちはあなたのニーズに最適なものを知っているという説得に主な焦点を当てている可能性がある。本当に最適なものを知っているかどうかは事実であることもあればそうでないこともあるため、ケースバイケースで検証する必要がある。というのも不適切なベンダーを選んで不適切な選択をしてしまえば、予算的にもあなたのキャリア的にも高くつく可能性があるためだ。

歩きまわる

 マネジャーや管理者は、活動的である必要のある仕事だ。人々やプロジェクトについての最新情報を常に把握ために、オフィスを出てチームメンバーと話し合ったりする一方で、自分自身の仕事もこなす必要がある。プロジェクトが期待通りに進んでいることを確認して、必要な場合には励ましを与えたりするために、進捗情報は十分に手に入れるようにしよう。ただしその目的が、細部まで管理しすぎる「マイクロマネジメント」だとみなされることがないように注意しよう。一方で、四六時中あなたの監視や意見を求めてくる人々に対しては、隠された意図があるのかもしれないので気をつけよう。そのような人々は、与えられた課題に対して自信がなく不安を感じていたり、会社での政治的な駆け引きにかかわっていたりする可能性もあり、これらの度が過ぎるとプロジェクトに支障が出る可能性がある。

 いったんしっかりとした仕事の体系、十分なコミュニケーション、協力的な仕事環境を確立してしまえば、あなたのチームの有能なメンバーたちに仕事の合間に報告をしてもらうことによって、常に現況を把握できるようになるものだ。

Ken Myers博士は米海軍を退役後、ノースウエスト航空常勤副社長を務め、応用組織科学を長年研究する科学者。現在はオンライン大学Touro University Internationalでビジネス運営/IT管理のCore Professorを務める。

Zev Feldbergerは米陸軍のプロジェクトに取り組む主任ソフトウェアエンジニア。現在、オンライン大学Touro University Internationalで情報技術管理の修士課程に在席している。


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