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» 2007年09月21日 07時30分 公開

ITトレンドの“眼”:スマートフォンは日本企業に根付くのか? ――HTC Nipponに聞く(後編)

せっかく導入したスマートフォンを長く使い続けるものにするには、どのように利用したらよいのだろうか? 今回はそのヒントを探る。

[三浦優子,ITmedia]

 スマートフォンを長く使い続けていくために導入する企業にも”コツ”のようなものが必要なのだろうか?

 その疑問に対し、HTC Nipponの法人事業本部パートナーセールスマネジャーの豊田幸隆氏は「上手に利用している企業を見ると、『導入すればなんとかなる』と明確に使い方を定義しないまま導入している企業よりも、『こんな使い方をしたい』ということが見えている企業の方がうまくいっている」と指摘する。

豊田幸隆マネジャー

 前回のINAXメンテナンス同様、HTCが日本で導入された事例として知られているのが、幹部社員間のコミュニケーション促進を目的に130台のhTc Zを導入したユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)。9月7日のモバイルコンピューティング推進コンソーシアムのイベントでも、マイクロソフトの樋口泰之代表執行役兼COOが基調講演の中でUSJの事例を紹介している(関連記事)。

 USJは事務所が分散しており、スタッフが時間単位であちらこちらに移動しなければならいないことが多いという。その際に問題となったのがコミュニケーション。メールでのやり取りが不可欠なだが、移動の道すがらにノートPCを利用することは難しい。そこでスマートフォンは、歩きながらでも利用できる機動性を持つことから導入が決まった。

 INAXメンテナンスはサービスエンジニアの利用、USJの例は幹部社員のコミュニケーションツールとしての利用と、用途は全く異なっているものの、両事例ともに用途が明確であるという点は共通している。

 用途を明確にすることで、選択すべき端末も明確になる。

 「携帯電話であれば、端末選択には個人の嗜好が強く反映します。しかし、スマートフォンの場合、TPOや用途、利用者によってどの端末が向いているのか答えが変わってきます。例えばメールをチェックするといっても、簡単な返信を入力する必要があるという人にはスライド式キーボード付きの機種が向いている。見て確認するだけという人なら、一体型で十分です」

 また、セキュリティ的な問題からノートPCの代替えに導入するという場合においても、「ノートPCでやっていたこと、全てスマートフォンでやろうと思ったら、無理があります」と豊田マネジャーは強く訴える。

 「例えば、スマートフォンにはテンキーはついていないし、長い文章を入力するのであればやはりPCの方が向いている。PCでやっていたことの全てではなく、一部の機能を置き換えるという発想で導入した方がいいでしょう。むしろ、ノートPCを持ち歩いているのとは異なり、サーバプッシュ型でメール受信ができる、スマートフォンならではの強みといった点を評価し、導入している企業さんの方がうまく利用されているように思います」

 また、「スマートフォンを音声通信端末として利用したい」というニーズもあるので、その場合にはBluetoothヘッドセットを利用することを勧めている。

 「もちろん、当社の端末だけで音声通話端末として利用することもできます。でも、やはりちょっと利用しにくい。そこで利便性をあげるために、ヘッドセットを利用することをオススメしているのです」

 無理をせずに、使いやすい形で利用していくことが長く使い続ける”コツ”といえるのかもしれない。

 法人が自社に最適なソリューションを作るために、開発環境が整っていることもHTCではセールスポイントとしている。

 「グループウェアとの連携、セキュリティの確立、SFA(営業支援)用端末としての利用など用途に応じたツールが色々と揃っていることも強みといえると思います。パートナー企業が開発したツール類も揃ってきています。情報システムとの連携についても、システム側は手を加えずに連携可能となることもプラスメリットといえるでしょう」

 つまり、自社に適したソリューションを作る環境も整いつつあるということだ。このようなHTC製スマートフォンのメリットを日本企業はどう評価するのか、今後の実績こそ、その評価の答えとなりそうだ。

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