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» 2007年09月19日 07時00分 公開

新入社員がぶつかったスマートフォンの壁モバイル機器からのネットワーク快適利用術(1/2 ページ)

1人のIT“オンチ”な新入社員がスマートフォンを初めて手に取った。彼とスマートフォンの悪戦苦闘の一日をつづる。

[藤村能光,ITmedia]

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 仕事をしていると、おもむろに先輩から声をかけられた。「また怒られるようなミスをしてしまったか……」とおそるおそる声の先に顔を向けた。先輩は、「これ使ってみた感想を教えて」と言い残し、さっそうと自席に戻る。手渡されたのは1つの不気味な黒いケースだった。

アドエスとの出会い

 ケースの中身を取り出すと、出てきたのは1台の携帯電話のようなものだった。渡されたのは、実はウィルコムの「Advanced/W-ZERO3 [es]」(通称:アドエス)だった。これがわたしとスマートフォンの初めての出会いだが、これで何ができるのかはまったく分からなかった。「スマートフォンとはなんだろう? 」というレベルの知識しかない。スタイリッシュな筐体に感激し、本体をスライドすると現れるキーボードに感動した。まるで、子どもの時に新しいおもちゃを手渡され、むじゃきに遊んだような感覚を思い出す。そんなわたしに先輩は、「使った感想を述べよ」という課題を与えた。スマートフォンに対して何も予備知識を持たない状態で、使った感想を教えてほしいというのだ。

 ここで、わたしのITリテラシーがどれほどかを紹介しておこう。1つ思い浮かぶのは、メールソフトの受信メール自動振り分けの設定が上手くできない。また、携帯電話はNTTドコモのSH903 iを持っているが、普段利用するのは通話とメール、電車の時刻表検索、オンラインクーポンの利用ぐらいだ。

 いまだにPCをほとんど使わない家庭で育った。これらから分かる通り、わたしは典型的な“ITオンチ”だ。先輩からの白羽の矢がわたしに立ったのは当然のことだった。そして、ここからアドエスとの悪戦苦闘の一日が幕を開けたのだった。

 職業柄、取材でたびたび外出が、関西から出てきて間もない私には、東京の土地感覚にどうも乏しい。会社でプリントアウトした地図を常に握りしめて外出するのだが、急を要するときに、どうしても地図を忘れることがある。その時は、手帳に記されたビルの名前など不完全な情報を頼りに、駅周辺をぐるぐると歩き回る羽目になるのだ。

 ところで、アドエスにはGoogleマップがインストールされている。「これを使えばたちどころに目的地が分かるはずだろう」と考えた。PCではGoogleマップを使う機会が多い。この日も急ぎのため、取材先の地図を忘れてしまったのだが、アドエスのGoogleマップが手元にあるため、余裕で電車に乗り、アドエスを意気揚々と取り出した。それまではよかったのだが……。

PCでおなじみのGoogleマップが、アドエスでは標準搭載されている

Googleマップが使えない

 電源を入れ、画面左上のメニューからGoogleマップをスタイラスでタップした。そこで最初の関門に突き当たった。画面がまったく遷移しない。「PCに比べたら画面遷移の速度は遅くて当然」と余裕を感じていたのも、つかの間だった。いくら待ってもウンともスンともいわない。「噂に聞いていた高性能のスマートフォンだからそんなはずはない」という思いと、「もしかしたら変なところを触って壊したのか」という不安な気持ちが交錯する。

 遷移を待たずに、通話終了ボタンを押してGoogleマップの画面を閉じてしまった。気持ちを落ち着けて、同じ操作を試みる。だが、目的地の地図は一向に表示されない。しばらく待っても望みの画面が現れない状況に汗がしたたり落ちる。最高気温を更新し続ける真夏の屋外を走ってきたことが原因ではない。待ちすぎて 、パネルのバックライトが消えてしまうことも。結局、結局山手線で有楽町から渋谷まで移動したところで、Googleマップによる地図検索をあきらめた。

 理由は単純なものだった。PHSは携帯電話と比べて、電車のように高速で移動しながら利用するのが苦手だということだった。おそらくW-ZERO3ユーザーにとって当たり前のことなのだろう。しかし、PHSのスマートフォンを初めて使ったわたしにとって、最初に立ちはだかる壁となったのだ。

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