EM・ONE+VPNで、ノートPCはいらない?モバイル機器からのネットワーク快適利用術(3/4 ページ)

» 2007年09月25日 07時00分 公開
[池田冬彦,ITmedia]

EM・ONEのVPN接続を設定する(2)

 続いて、「イントラ・ネットワークアドレスの例外設定」を作成する。Windows Mobileの仕様として、LAN内のリソースに対して、プライベートアドレスでアクセスしようとすると、インターネットを参照して接続に失敗してしまう、という問題があるためだ。「設定」画面から「接続」をタップし、「詳細設定」タブを選び、「例外設定」をタップする。

 次に「新しいURLの追加」をタップして「*.*」と入力する。これで、ネットワーク接続時のアドレス設定や、イントラWebサーバへのアクセス時に、LAN内のリソースに正しくアクセスできるようになる。なお、この設定は、すべてのアクセスをLANに対して行う。インターネット上のサーバも利用したいのなら「*.*」ではなく、特定のサーバアドレスを指定した方がいいだろう。

「詳細設定」タブの「例外設定」をタップする
新しいURLの追加」をタップする
このように「*.*」(すべてのアドレス)と指定する

VPNでファイルサーバへ接続

 それでは、早速VPNで社内LANに接続し、ファイルサーバのデータを利用してみよう。VPN接続は、先ほど設定した「規定の社内ネットワーク設定」の「VPN」タブをクリックし、リストにある接続の項目を長くタップしてメニューを表示させ、「接続」を選ぶ。メニューの上が「削除」なので、間違って設定を削除しないよう気をつけよう。

 VPNで接続したら、「ファイルエクスプローラ」を開き、「メニュー」から「パスを開く」を選ぶ。「開く」ダイアログが表示されたら、「¥¥<コンピュータ名>¥<共有名>」と入力して「OK」をクリックする。設定が間違っていなければ、問題なく接続できるはずだろう。サーバの認証ダイアログが表示されたら、まずは成功だ。あとは、サーバのアカウントでログインし、共有フォルダにアクセスする。

VPNの接続項目を長タップして「接続」をクリックする
メニューから「パスを開く」を選ぶ
ファイルサーバのパスを入力する
認証画面でサーバのアカウントを入力する

 なお、VPN接続時は全てのトラフィックデータをMPPEで随時暗号化/復号化しているので、EM・ONEに与える負荷は、予想以上に大きいようだ。このため、EM・ONEの全体の動作速度はかなり遅くなり、100KB〜200KB程度のJPEG画像ファイルを開けない(途中でエラーになる)、という厳しい状況だった。

 もっとも、これは今回の環境での電波強度不足も原因の1つとして考えられる。接続中は「暗号化のとりこぼし」が発生して、途中でVPN接続が突然終了するケースが頻発した。この時、なぜかルータがVPN強制切断のたびにDHCPサーバ機能を停止してしまう。調べてみると、EM・ONEから不正なパケット(壊れたパケット)がルータに送られ、ルータの異常動作を引き起こしているようだ。PPTP接続の際は、できるだけ電波強度が十分な環境で行うべきだろう。

認証画面すら表示されずエラーになることもしばしばだった

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