異動対応でイケメン課長に遭遇女性システム管理者の憂鬱(2/4 ページ)

» 2007年09月28日 07時00分 公開
[高橋美樹,ITmedia]

 取りあえず転入者の必要データをサーバにでも退避し、転出後にコピーしてもらうという手もある。だが以前、大量の異動者が同時にネットワークを介してデータのコピーを始めた結果、社内ネットワークに大きな遅延が起こったことがあり、人事異動シーズンはネットワークを介したデータ移行は厳しく制限されていた。おかげで、たった2日間で転出者対応、PC準備、転入者対応すべてを完了しなければならなかった。

データ移行に悲喜こもごも

 そうして迎えた転出者の最終出勤日は、午前中からもう大変な忙しさだ。データ移行時はユーザーもPCが使用できなくなるため、作業は荷造りや客先へのあいさつ回りの時間を利用する。バックアップするデータは、基本的に情報システム部として公式に利用を認めているアプリケーションに限定され、電子メール、アドレス帳、お気に入り、グループウェアのユーザーIDと環境設定ファイル、そしてマイドキュメントとデスクトップ上のファイルなどが対象となった。

 作業自体、どうということはない単純なものだが、中には入社して一度もメールを消していないユーザーや大量の写真データをためこんでいるユーザーもいて、そのデータはときにGバイト単位となり、気の遠くなるような時間を費やすことがあった。

 日中に作業を完了できるのが理想だが、出社最後の日まで報告書を作成しているようなユーザーもいる。そんなユーザーも、夜には送別会があるためその時間を利用してデータ移行を行う。赤い顔をして戻ってきたユーザーにデータの詰まったCD-Rを渡すときが最後のあいさつになるのかと思うと、作業を中断してしんみりしてしまうことも多かった。

 しかし、そこで感傷に浸っている暇はない。翌日が平日の場合は、一晩で次の日に転入してくるユーザーのPCを用意しなければならないのだ。OSのセットアップからやっていたのではとても間に合わない。そのため、暇なときを利用してPCの型番ごとのバックアップイメージを用意しておき、それを保存したCDを利用してどんどんPCの初期化を進める。その後、それぞれの転入者に割り振られたPCアカウントやメールアカウントを設定して、ようやく準備は完了となる。後は明日転入者が持参するであろうローカルデータをコピーするだけだ。

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