異動対応でイケメン課長に遭遇女性システム管理者の憂鬱(3/4 ページ)

» 2007年09月28日 07時00分 公開
[高橋美樹,ITmedia]

息子の行く末を案じる母親のように

 そして翌日。オリエンテーションを受けている転入者がそれぞれの席に戻ったころを見計らってあいさつに赴き、持参データを確認する。まれに、連絡したにもかかわらずうっかり何も持たずに来るユーザーがいるため、異動前の拠点に連絡を取ってデータの有無を確認したりする作業が発生することもある。

 それ以外は、データ移行のスケジュール調整を行う。転出者対応とは異なり、転入者の作業ではパスワードを自分で入力してもらったりする必要があるため、立ち会ってもらえる時間を選んで作業するのだ。だいたいの転入者は意外にも午前中はフリーであることが多く、すぐにもPCを使いたいと希望する人が大半を占めている。そのため、割とスムーズに作業は進み、午前中で作業はほぼ完了する。

 やれやれ、異動対応もこれで一段落……そう油断していると、転出していったはずのユーザーからケータイに連絡が入り、データをPCに戻す作業の説明を求められる。リストアのための手順書も添付してあるのだが、システム管理者にサポートしてもらう癖がついているユーザーは、なかなか自分でやるという気持ちが起きないものだ。頼られるのはうれしいが、今後このユーザーが1人でやっていけるのかと、息子の行く末を案じる母親のような気持ちにもなってしまう。

 そんな悲喜こもごもの人事異動対応では、表面からは分からない、そのユーザーの隠れた一面に触れる瞬間がある。

 その日転入してくる課長は、30代そこそこで課長に昇進した「かなりの切れ者」と、移動前からもっぱらのうわさだった。きっと、入社以来仕事、仕事に明け暮れるカタブツだったのだろうと勝手にイメージしていたのだが、データ移行の時間を確認するため、あいさつに行って驚いた。これが想像とは違って、超イケメンだったのだ。

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