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» 2007年10月04日 08時10分 公開

人心掌握の鉄則:部下の欲求を知ろう――「承認」こそがやる気の源 (2/2)

[アイティセレクト編集部]
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上司と部下の関係をもう一度見直せ

 そもそもモチベーションが高くなるのも、落ち込んでしまうのも、非常に個人的、精神的な問題に関わる部分が多い。加えて本人を評価すること一つにも日本の風土、社会の中ではさまざまな問題が存在している。

 社員のモチベーションを高めるために、企業はさまざまな評価制度や人事制度の見直しなどを行わざるを得ない状況である。しかしながら、以上もろもろのことを考えてみればそのようなシステムの再構築が果たしてどこまで有効であるかは疑わしい。

 大切なのはつまるところ上司と部下の人間的な関係に行き着くのではないだろうか?

 1人ひとり価値観や性格が違えばモチベーションのあり方も、それを失う原因も違ってくる。きわめて個別的で個人的な問題であるがゆえに、会社がどんなに制度やシステムを整えたからといって、すべてに対応が出来るはずもない。

 上司は部下の態度に決して感情的になることなく、まずやる気を失っているその原因を真摯に聞くことである。そして一緒になってその要因を取り除くことである。その行為自体が部下にとっては1つの「承認」となるのだ。

 仕事帰りの上司との飲み会や、社内行事でのさまざまな活動を通して、かつては上司と部下がより人間的な関係を築いていたように思う。そしてこのような人間関係の中でデリケートで個人的な問題は解決されてきた部分が多かった。

 いま、そのような光景が以前に比べてすっかり少なくなってきているようだ。長引く不況の中で企業は人員を削減し、さまざまな無駄を排除してきたわけであるが、その過程で上司と部下、同僚同士の関係も希薄になってしまった感がある。

 「仕事へのモチベーションに関する調査」を担当した、野村総合研究所、コンサルティング事業本部の事業企画室室長、齋藤義明氏は上司と部下の関係について次のように語る。

 「飲み会などの機会は確かに減っているようですが、若い人たちはそういったコミュニケーションに飢えていると思います。どちらかというと上司の方が、誘っても嫌がられると決めつけている傾向があるのではないでしょうか」

「仕事へのモチベーションに関する調査」野村総合研究所

 給与体系や評価制度を見直すことも大切であるが、まずその前に上司と部下のより緊密な対話と人間関係こそが、日本のような社会風土の中でモチベーションを育んでいくには必要不可欠な要因となるのである。

月刊アイティセレクト」2007年11月号 特集「モチベーションコントロールに役立つ 人心掌握術の鉄則」より)

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