「先輩、どうして隠すんですか!」――知恵の埋蔵量を知らしめよ“若葉マーク”社員を活性化させる「実感主義」の育成戦略(1/2 ページ)

「誰も何も教えてくれない」とぶつぶつ文句を言う若手社員は多い。「情けない、誰に何を聞けばいいかぐらい自分で考えろ!」とどなりつけたくもなるが、中堅以上の先輩社員たちの中でも若いころ、「隠さないで教えてくれれば仕事が早く済んだのに」と先輩を恨んだことはなかっただろうか。

» 2007年02月09日 09時00分 公開
[アイティセレクト]

 仕事の手順を明確化し、プロセスの見える化を会社の実際の仕事に合わせて行えば、経験の浅い若手社員もプロジェクトごとの立ち位置が理解できるようになる。(参照記事)

 そうなれば、実際の仕事でも「前回はここでつまづいた」などという意識が芽生え、新しい対処の仕方を自分で考えられるようになる。そこで考えた対処が実際にうまく効果を上げることができれば、以前とは違う自分を実感できるというわけだ。

ナレッジマネジメントの手法をあらゆる現場で

 こうした方法論は仕事に関する記録、ノウハウ、知恵、知識、考え方などを収集し、共有し、蓄積するというナレッジマネジメントの手法といえる。CRMやSFAツールを利用して一定の業務プロセスの中で情報共有していくのも一つの手だが、こうした使い方はまさにナレッジマネジメントの一種だといえる。

 企業のナレッジマネジメントシステム導入のコンサルタントを中心に事業展開しているリアルコムのビジネスコンサルティンググループディレクターの村田聡一郎氏は次のように話す。

 「仕事の進捗状況を見て、上司がより的確に具体的にアドバイスする、つまり顧客とのやり取りを共有化して次の手を指示するというのも、ナレッジの共有といえます。それから上司だけでなく、同じ顧客を担当したことのある人、同じ種類のプロジェクトを手がけたことのある人が、そうした情報を共有してアドバイスするというのもナレッジマネジメントの一種だと思います。しかし、ナレッジマネジメントの手法はこうした、情報共有をもっと広げることを可能にします。それがコミュニティ作りです」

 企業内でのコミュニティを作ることによってさらに情報共有の深度と広がりを高めようということらしい。

リアルコム 村田聡一郎氏
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