利用者は受けては振り回される運命?――報道メディア、SNS、タクシー業界、それぞれの姿勢オルタナブログ通信(1/2 ページ)

何をどう報じるべきか――報道メディアが迷走している。そして、GREE、mixiなどといったネットコミュニティーも、ユーザビリティに悩んでいる。いったい、正解はどこにあるのだろうか? オルタナティブ・ブロガーは、ITの時事ネタを独自視点から発信する。

» 2007年10月12日 14時29分 公開
[森川拓男,ITmedia]

報道メディアのあり方

 それにしてもハッピーマンデーというのに、いまだ馴染めない自分がいる。妹尾高史氏「抱き込め!ユーザー、巻き込め!デベロッパー」え?いつが祝日?というエントリーで書いているが、かつては祝日という意識がしっかりあったのに、ハッピーマンデーなるものが始まってからというもの、ますますそのような意識が希薄になってしまった感じがするのは、筆者だけだろうか。

 祝日というものを感じる1つの媒体として、新聞やテレビなどといったメディアの存在は大きい。だが、そのメディアの報道というものは、岩永慎一氏「THE SHOW MUST GO ON」多方面にモノゴトを眺めるという意識でも触れられているように、何らかの意図を持って編集されたものだ。

 岩永氏の朝日新聞「沖縄集会は11万人参加」に対するイベント屋としての考察でも取り上げられた人数問題にしてもそうだ。この問題では、報道された11万人という人数だけが独り歩きしてしまい、そんなに入るわけがないとネガティブな報道をするメディアも登場したが、写真を見れば分かるように多数の県民が参加していたことは間違いなく、このことの重要性を感じるべきだろう。この問題では、辻俊彦氏「キャピタリストの視点」キャスターのあり方というエントリーで、コメント欄を通じて興味深いやり取りも見られた。

 どこまでを報道するのかという線引きは、なかなか難しい。例えば吉田賢治郎氏「けんじろう と コラボろう!」農水省職員がウィキぺディアに「ガンダム」の書き込み - ニュースにするほどのものか?で取り上げられている事例は、確かに枝葉末節であり、この報道によって肝心なことがかすんでしまう恐れがある。プレスがあればすべてを記事にするというわけでもないだろうが、やはり政府や官庁が発表すれば報道する候補の筆頭にはなる。その発表の裏に隠された意味を、報道を受ける側がしっかりと読み取る必要性が高くなっている気がする昨今である。

 こうしてメディアの報道が迷走する中、辻俊彦氏「キャピタリストの視点」MSN産経VS毎日jpでは、新聞社のネット展開について触れているが、やはりまだ試行錯誤は続いていることを感じさせられた。

ワイドショーを賑わしたキーワードがランクイン

 ITmediaのビジネス・ブログメディア「オルタナティブ・ブログ」では、160組を超えるオルタナティブ・ブロガーが日々、ITにまつわる話題などを独自の視点で発信している。この「オルタナティブ・ブログ」に投稿された膨大なエントリーの中から幾つかをピックアップし、読者にナビゲーションする目的で連載しているのが「オルタナブログ通信」である。読者が「オルタナティブ・ブログ」を読む際の参考にしてもらえれば幸いだ。

 さて今回は、10月4日〜10月10日に投稿されたエントリーの中から、筆者の視点で取り上げさせていただいた。今回は、冒頭で触れた「報道メディア」のほか、「mixi」「タクシー値上げ」「私の職業」「ジャングル大帝」などのキーワードに注目した。

10月4日〜10月10日を最新としたオルタナティブ・ブログのステータス

 今回は、10月4日〜10月10日を「10月1週」として、オルタナティブ・ブログの「見える化」を行った。例によって開始日を基準にして、過去8週間分のデータをグラフ化してあるものだ。

 このグラフから、ここしばらく右肩上がりだったものが、すこし下降しているのが分かるだろう。しかし、8月のレベルまで落ち込んだわけでもなく、9月以降の最低というわけでもない。投稿されたブログ数自体は少し落ち込んだものの、2桁投稿をするブロガーがいたことが、投稿エントリー数の急激な下降にストップをかけたのではないだろうか。次週がどうなるのか、注目したい。

 さて今週は、加藤恭子氏「きょこ コーリング」森川さんってどんな人?というエントリーがあって驚いた。加藤氏の質問に答えると、さすがに熟読というわけではないが、それでもほとんどのエントリーに毎日ざっと目を通させていただいている。その中で気になったものをチェックし、最終的に記事化するにあたって絞り込んでいるという次第だ。できれば多くのエントリーを紹介したいのだが、長ければよいというものでもないため、厳選させていただいている。「嬉しい気持ちになる」と書いていただけると、筆者としてもうれしい。

 ここで、10月1日〜10月7日の週間アクセスランキングから幾つか紹介しよう。

 1位には、「「ジャングル大帝はライオンキングのパクリ」説」(CloseBox and OpenPod)がランクインした。これに関しては後半で触れる。

 そして2位は、ワイドショーを賑わしたキーワードがランクインした。「沢尻エリカと上原仁」(キャピタリストの視点)だ。やはり、キーワードからの検索がオルタナティブ・ブログにも影響したのだろうか。

 また、先週も触れた「初音ミク」に関するエントリーもランクインが続いている。6〜8位に、「初音ミク現象に見る集合知活用型作品開発のポイント」(ナレッジ!?情報共有・・・永遠の課題への挑戦)「【連載企画】合法的音楽配信サイトを作ってみる(3)」「【連載企画】合法的音楽配信サイトを作ってみる(2)」(栗原潔のテクノロジー時評Ver2)が入った。関心は相変わらず高いようだ。

 今週のオルタナティブ・ブログでは、このほかにどのような話題が投稿されたのだろうか。幾つか紹介していこう。

mixiリニューアルとユーザビリティ

 mixiのデザインが変わった。そうとはいえ筆者はここ数カ月、mixiにログインしていなかったので気付かなかったのだが、久しぶりにログインしてみて、これは確かに微妙かな…、という感想だった。果たしてユーザーの立場に立った変更だったのか? そのことをいまいちど考え直す必要があるのだろう。

 辻俊彦氏「キャピタリストの視点」GREE騒動では、アバター強制問題で荒れたGREEと、mixiのデザイン変更はユーザー軽視だろうという指摘がある。ネットコミュニティーにおいて、ユーザーがいちばん大切なはずであり、その点を軽視してしまうのは本末転倒だ。

       1|2 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

注目のテーマ