「IBM Information on Demand 2007」は2日目を迎え、午前のジェネラルセッションでは、IBMの情報管理ソリューションを活用するミシュラン、ニューヨーク市警、および米社会保障局の事例が紹介された。
米国時間10月16日、ネバダ州ラスベガスで開催中の「IBM Information on Demand 2007」カンファレンスは2日目を迎え、午前のジェネラルセッションには、IBMの情報管理ソリューションによって、信頼性の高い情報を獲得し、ビジネスやサービスの最適化に成功した顧客らが登場した。
最初にステージに招き上げられたのは、創業118年のタイヤメーカー、MichelinでIT部門を統括するグループディレクター、トッド・ジェファーソン氏だ。
自転車のメーカーとしてスタートした同社は、12の製品ラインを75の工場で生産し、170カ国で販売するほか、地図やガイドブックも手掛けている。世界的に原材料が高騰する中、同社もそのあおりを受けている。価格競争も激しく、さらに工場には多額の設備投資が必要になるなど、強力なブランドを持つ老舗も難しい舵取りを迫られているという。
ITも事業部門ごとに地域、さらには機能ごとにサイロ化されており、得られる情報もばらばら。「複数のETL(Extraction, Transformation and Loading)ツールを使っても、一貫性のないデータしか得られなかった」とジェファーソン氏は振り返る。
同社は2003年から2004年にかけて、メタデータ管理やマスターデータ管理の取り組みをスタートさせた。包括的なデータ統合のためのプラットフォームである「IBM Information Server」とマスターデータ管理の「IBM Master Data Management Server」を採用し、データに関するガバナンスと質を高め、価値ある情報をビジネスの最適化に活用しているという。
Michelinに続いて紹介されたのは、IBMの情報管理ソリューションの事例としてしばしば取り上げられるNYPD(ニューヨーク市警)だ。
最近でこそ治安が良くなっているニューヨークだが、それでも年間35万人の逮捕者を出し、捜査が必要な事件も20万件に上る。日本の110番にあたる警察への緊急電話、911番も1000万件と桁違いだ。
捜査も容疑者を特定してからのチェック項目が200以上にも及ぶ。しかも、90以上の統合されていないコンピュータシステムと格闘しなければならず、肝心の犯罪パターンに関する情報は、2004年の時点でも書類で管理されていたという始末だ。
NYPDは2005年7月、犯罪に関するデータウェアハウスを構築、ビジネスインテリジェンスやデータマイニングのツールもポータル経由で提供し、リアルタイムで犯罪捜査を支援する「Real Time Crime Center」(RTCC)をスタートさせた。
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