モバイルで危機管理のススメ(1/2 ページ)

緊急事態で機動性や迅速な対応を必要とする場合に、モバイルシステムが威力を発揮する。モバイルを活用した最新の危機管理技術を見た。

» 2007年10月18日 14時24分 公開
[國谷武史,ITmedia]

 自然災害や事件・事故、企業の不祥事にいたるまで、「危機管理をしなければ」と言っても、その対象は非常に幅広い。10月17日〜19日まで東京ビッグサイトで開催の「RISCON TOKYO(危機管理産業展など複数の関連展示会)」では、緊急事態に威力を発揮する、モバイルを利用した最新の危機管理技術を各社が出展した。

 富士通は、双方向コミュニケーションサーバ「USX」とスマートフォンを連携させる位置情報・緊急通報対話システムを出展した。このシステムでは、入退室管理システムや無線LAN・GPSの位置情報システム、機器・設備に設置されたセンサと、状況管理システムや防災システムをUSXを介して接続し、緊急時の双方向コミュニケーションを確保する。

スマートフォンではメニューを選んで報告したり、電話会議の召集、テキストメッセージで詳細な報告を行える

 例えば、施設への不正侵入を検知すると、センサからセンター側に通報され、センターでは現場の近くにいる担当者を割り出して、担当者のスマートフォンへ現場情報と通報内容を通知する。担当者は現場で状況確認を行い、スマートフォンからセンターへ状況報告を行える。これらのプロセスは常にモニタリングと記録が行われ、将来のリポート化や防犯・防災計画の立案などに役立てられる。

 現場とセンター間では、電話会議やテキストメッセージによる連絡も行える。危機管理プロセスに基づいてコミュニケーション方法や連絡先などを設定でき、通報から対応までのプロセスをある程度自動化できるという。

 NTTドコモは、6月から開始した同報連絡・安否確認サービス「エマージキャスト」を出展した。

 エマージキャストは、自治体や企業の防災担当者が職員の招集や安否確認を行うもので、管理用PCから職員の携帯電話に通知を行い、職員は参加の可否や安否状況を返信する。管理者側では、職員の返答状況や内容を把握できる。auやソフトバンクモバイルの携帯電話にもメールで通知する。

緊急地震速報を受けて自動で召集、安否確認依頼を通知するため、対応の迅速化が期待できる

 これまでのサービスでは、管理者が職員へ同報、安否確認依頼を発信する仕組みだったが、10月1日から気象庁の緊急地震速報サービスが開始されたため、ドコモでは緊急地震速報を受けて自動的に職員へ通知するサービスに改善する。2007年度中の開始を予定するという。

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