モバイルで危機管理のススメ(2/2 ページ)

» 2007年10月18日 14時24分 公開
[國谷武史,ITmedia]
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 松下電器は、防振・防滴設計の業務用ムービーカメラを利用する映像転送システムを参考出品した。

 ムービーカメラは、SDカードに映像を記録する機械動作の少ない構造で、本体サイズが幅31×高さ63×奥行き114ミリメートルのコンパクト設計。重量はSDカードとバッテリ込みで204グラムと、上着のポケットに収まるサイズだ。高さ1.2メートルからの落下の衝撃に耐える「ML-STD-810F METHOD516.5 SHOCK」基準と、JIS4級防滴規格に準拠する。光学10倍ズームを搭載し、MPEG4で記録する。

タフネス設計のムービーカメラ(右)と日本SGIの送信ユニット「ViewRanger」。ムービーカメラは一般に販売される予定はなく、業務用だ

 映像は、データ通信カードを装着した送信機から携帯電話やPHSの回線を経由して監視センターへ送ることができる。管理側では、PCのWebブラウザで送信機のグローバルIPアドレスを指定して映像を確認する。

 このシステムでは、環境の厳しい災害現場での状況確認や事件・事故の記録など幅広い用途に対応する。すでに海外の一部地域では販売が開始されており、国内でも官公庁や自治体、企業向けに販売を検討しているという。

 KDDI研究所は、映像のエンコード機能と伝送機能を一体化した「VistaFinder」を出展した。VistaFinderは、最初の開発から20年近い歴史を持ち、主に放送用機材として世界の放送局で導入されているという。

ネットワーク環境さえあれば、どこからでも映像を伝送できる。フォーマット選択はタッチパネルで行え、高度な映像知識は不要。重量は約2キログラム

 最新世代機は、映像符号化にH.264/AVC、HE-AACの最新コーデックを採用し、QCIF(177×144画素)〜HDTV(1440×1080画素)サイズの映像を、有線網や携帯電話、PHS、無線LAN、衛星(インマルサットM4)で伝送できる。VistaFinderと、VistaFinderのソフトウェアをインストールしたPC間でテレビ会議も行えるという。

 ブースの担当者は、「自治体や企業で導入するケースも増えている。ネットワークさえあれば放送品質の映像を伝送できるため、現場の状況確認に役立てられるだろう」と話していた。

 三菱電機は、スマートフォンでのVoIP通話内容を暗号化する「秘匿携帯電話システム」を参考出品した。このシステムは、暗号化ソフトウェアをインストールしたスマートフォン端末間の通話内容をすべて暗号化し、盗聴を防ぐ。

 暗号化には、同社とNTTが共同開発した「Camellia」を利用し、暗号化・復号化処理を高速に行えるメリットがある。暗号化はカスタマイズ対応でき、鍵長の変更やほかの暗号アルゴリズムも利用できるという。また、暗号化以外に端末のロックやデータ消去を遠隔操作できる機能も搭載されている。

通話開始と同時に内容を暗号化する。暗号化・復号化処理も高速なため、遅延もほとんど感じない

 最近では、携帯電話網や無線LANに対応したスマートフォンを国内外を問わずに通話利用する企業が増えている。通信事業者ネットワークのセキュリティ対策を利用するだけでなく、企業が独自の通話セキュリティ対策を導入して機密情報の漏えいを防ぎたいというニーズが高まっている。

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