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» 2007年10月22日 07時00分 公開

新境地に挑むマイクロソフト:やはり強みはエクセル連携――CRMの面白い使い道 (1/2)

CRMはカスタマイズが重要だ。一般的なCRMパッケージは短期導入できる一方で、操作性・拡張性が低かった。「ダイナミクスCRM」は既製品とどう違うのか?

[梅田正隆(ロビンソン),アイティセレクト]

 「Microsoft Dynamics CRM 3.0」(以下、ダイナミクスCRM)で商談を管理する際には、「エクセル」などを利用するとよい。CRM上でも「売上見込み」や「予測クローズ日」でソートするといったことはできるが、SQLサーバのレポーティング・サービスやエクセルは、より細かな分析を行うのに適している。

 特に分析機能については、エクセルとの連携が面白い。汎用検索機能を利用して定義したデータセットをエクセルにエクスポートして分析できるのだ。このとき、静的ワークシートと動的ワークシートのどちらかを選べる。静的ワークシートは通常のエクセルファイルで、全員が参照できるもの。一方、動的ワークシート(あるいは動的ピボットテーブル)は、アクセス権のある人しか参照することができないようになっている。

汎用検索画面 汎用検索画面

エクセルとの連携は分析に面白さが増す

 案件情報をエクセルに動的ピボットテーブルでエクスポートすると、エクセルとエクスチェンジ・サーバがつながった状態になり、ダイナミクスCRMからエクセルにデータがエクスポートされる。アクセス権に応じて見える範囲しか参照できないようになっているため、セキュリティ面でも安心だ。動的ワークシートを1度エクセルにエクスポートすると、次回からCRMを立ち上げる必要がないのも便利な点である。エクセルの動的ファイルを開くと、CRMから最新のデータを自動的に引っ張ってくるのだ。

 SQLのレポーティング・サービスによる定型レポートで分析することもできる。例えば担当営業別の売上状況を分析するとき、「売上見込みと期待値を併用すると面白い」と横山氏。期待値は売上見込み金額に確度を掛けた数値であるため、金額を単純に加算した売上見込みに加え、より現実的なデータが得られるからだ。

 また、案件の評価レポートを参照すれば、マネジャーは個別案件のランクを見た上で、重点を置くべき案件について部下に適切な指示を出すことができる。つまり、レポートの分析を起点としてCRMを活用できるのである。

「エクセル」の動的エクスポート機能の画面「エクセル」の動的エクスポート機能の画面 「エクセル」の動的エクスポート機能の画面

 一般に、入力系の画面は実行系CRMと呼ばれ、分析系CRMと区別される。役員やマネジャーにとって、案件を一件ずつ見るのは面倒なもの。彼らには、レポートから入り、ブレイクダウンして、最終的に実行系CRMを見て具体的な指示を出すというやり方が適している。あらかじめ20種類以上の定型レポートが用意されているダイナミクスCRMであれば、そうしたやり方が無理なくできるだろう。

導入しやすく価格も安い

 拡張性、カスタマイズ性はCRMにとって非常に重要だ。一般に普及しているCRMパッケージには、短期導入が可能、安定稼働を保証、画面がある状態で要件定義が行えるというメリットがあるが、操作性が限定されているため使いにくいというデメリットがある。一方、手作りのCRMは使いやすい反面、導入期間が長い、安定稼働の保障はない、画面のない状態で要件定義しなければならないという難点がある。ダイナミクスCRMは、CRMパッケージと手作りの中間に位置する製品。パッケージでありながらカスタマイズも容易という特長がある。

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