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» 2007年10月31日 07時00分 公開

人心掌握の鉄則:「私を奮い立たせる言葉」を考えてみよう (1/2)

部下のモチベーションを完全にコントロールすることは不可能である。しかしできるだけ健全な状態に保つ努力は怠ることはできない。まずは「君の考えていることなんかすべてお見通しだ」という態度から変え、自分が大切にしている言葉を見直してみよう。

[アイティセレクト編集部]

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うわべの態度だけで相手のキャラクターを決め付けない

 モチベーションを上げる、もしくは健全な状態に維持するためにはどうすればいいのか。

 それを考える上で良いテキストとなるのが、2005年に野村総合研究所が行った「仕事へのモチベーションに関する調査」である。この調査は上場企業の20代から30代の正社員が対象である。1000サンプルにも及ぶデータの分析結果は、75%もの若者が現在の仕事に無気力を感じているということだった。

「仕事へのモチベーションに関する調査」野村総合研究所

 この調査のリーダーである野村総合研究所、コンサルティング事業本部の事業企画室室長、齋藤義明氏はクライアントに対して人材に関するさまざまなコンサルティングを行っている。齋藤氏は、働く人には5つの欲求があり、同社のコンサルティングはその5つの欲求を軸として個別の状況に対応していくという。

 「5つの欲求とは『自己承認』『自己成長』『意味欲求』『創造性発揮』『自己実現』というものです。これらをバランスよく満たしていくことが求められているのだと思います。業績がいいから、儲かっているから働きがいがある、モチベーションを上げていけると考えていくと、マネジャークラスの人は部下の心理を見誤る可能性があると思います」(齋藤氏)

 モチベーションについて考えるとき、この5つの欲求は押さえておくべきだろう。人の心理状態というのは、千差万別だがとりあえずこの5つの欲求をベースに考えることで、整理することができる。

 「働く人の欲求」ということなので当然といえば当然なのだが、考えてみると、この5つはすべて「自分」が中心になっている。これらをすべて満たすなどというのは、組織の中では不可能に近い。齋藤氏はこれらについて「働く人間の野性」と表現する。つまり、誰もが持っている、ある意味、隠された欲求ということなのである。

 「物静かでおとなしいキャラクターの人物も、働く意味について深く考えるし、仕事と個人的な生活のバランスをとりたいという欲求は当然あるわけです。黙って人の嫌がる仕事をするからといって、創造的な仕事はしたくないと思っているわけではない。自己主張が強く、明るい性格の人物も実は『自分は他のスタッフから、認められているのか』と不安に感じることもある。そういう意味で表面的な働く姿だけで判断しないように心がけることが、マネジャーとしては必要な態度だと思います」(齋藤氏)

 つまりは、モチベーションが落ちている人物に対して、5つの欲求がすべて満たされていない、と考える必要もないし、すべてを満たすようにする必要もないということだ。

 組織の中で働く人たちに対して、各マネジャーが個別にモチベーションをコントロールしようとしないことも重要だ。

 齋藤氏は、次のように語る。

 「会社が組織として、個々の行動にどのようなものを求めているか、また、多くのスタッフがどのように行動したいと考えているかを明確にすることは大切です。それを行動指針として明文化することで働く人が迷いにとらわれずに救われることもあります」

 モチベーションの維持には、こうした野性を枯らさないようにする努力が効果を発揮するといえる。

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