モバイルRTmetricsでは、サイト訪問者が利用するキャリアや端末、Flashなどのコンテンツ技術への対応状況などの情報を取得し、これらの情報からキャリアや機種ごとのページビュー数やセッション数といった基本的な分析・リポーティングが行える。さらにはRTmetricsのサイト全体を対象とした解析機能とも連携し、モバイルサイト訪問者がどのようにページを移動(導線)したのかを把握できる。
モバイルサイトの分析に遷移分析を取り入れることで、「例えば通勤電車の1車両ごとにパラメータの異なるQRコードを車内広告に添付すれば、どの車両のQRコードを読み取ってサイトを訪問したのか、また、車両ごとのアクセス数がどれくらい異なるのか、1両目の乗客と3両目の乗客の遷移はどのように違うのかということまでを掴める」と伊藤氏。
導線を追うことによって、利用率が急速に低下する(訪問者が離脱する)ページが見つかれば、そのページがWebサイト上のボトルネックになっていることが分かる。そこでボトルネックとなる原因を発見し、コンテンツ内容や従前に閲覧されていたページとの相関関係から改善策を検討して対策を講じれば、訪問者のサイト利用率の向上につながることが期待できる。
会員が自由に情報発信を行えるサービスを提供する大手モバイルサイトでは、新規会員の獲得施策を立案するために、従来は会員登録ページへの訪問者の流入状況と会員登録者数のデータを参考にしていた。そこに導線解析のデータを加味し、訪問者数が会員登録のフローでどのように変化するのか調べた。
この結果から、情報入力のページで離脱する訪問者が多いことが分かり、会員登録することでのメリットを詳しく伝える内容にコンテンツを改善したことで、情報入力のページで離脱する訪問者数を4.5%減少させることができたという。
伊藤氏は、このほかにも「ショッピングサイトでは、訪問者が複数の商品を選んで支払い確認のページに行き、そのまま決済を行うケースがあれば、確認ページから商品紹介のページにまた戻って、違う商品を探すようなケースもある。こうした場合、確認ページから商品紹介ページへ手軽に戻れるサイト構成になっていなければ訪問者はストレスを感じて離脱してしまうだろう」と話し、訪問者の行動分析からサイト全体の構成を見直す取り組みも大事だとアドバイスする。
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