ICTの活用で豊かな老後生活を――ジャパネットの高田社長らも参画

誰もがITの恩恵を享受できる社会の実現を目指すマイクロソフトは、シニア層に向けて新たな施策を打ち出した。

» 2007年11月09日 21時50分 公開
[伏見学,ITmedia]

 マイクロソフトは11月9日、シニア層のICT(情報通信技術)活用に関する取り組みを発表した。「アクティブシニア推進計画(英語名称:Senior-J)」と呼ばれる施策で、60歳以上のシニア層がICTを使いこなしデジタル時代を豊かに暮らすためのサポートをしていく。

 アクティブシニア推進計画は、デジタルデバイドの解消に向けた活動である「UP-デジタルインクルージョンの推進」の新テーマに当たる。同社は既にNPO、教育機関、中小企業、電子政府・電子自治体の4分野において、それぞれ「NPO-J」「Academic-J」「全国IT推進計画(SMB-J)」「イノベーティブガバメント(IG-J)」を実施している。

 UP-デジタルインクルージョンの推進は、グローバル規模で展開する「Microsoft Unlimited Potential」を日本の環境に合わせて再定義したものである。

「ITの力で誰もが豊かな生活を送れる世の中にしたい」と熱弁するスティーブ・バルマー氏 「ITの力で誰もが豊かな生活を送れる世の中にしたい」とスティーブ・バルマー氏

 現在日本において高齢化や人口減少は大きな社会問題である。こうした環境の中でシニア層がより長く仕事を続けたり、引退後も社会とのかかわりを保つことができるようにICTの利活用を促進するという。Microsoftの最高経営責任者(CEO)であるスティーブ・バルマー氏は実の父親を例に出し「彼は難聴であるにもかかわらず、コンピュータを通じて家族や友人と積極的にコミュニケーションをとり、生きがいを持って暮らしている」と語った。

 マイクロソフトは以前から、シニア層に向けた活動やICTの利活用に関する資格認定制度などを展開してきた。アクティブシニア推進計画は既存の活動も包含する形で、ICT利活用シーンを「気づき」「相談と購入」「学び」「質問」「活用」「発表と交流」の6項目に分けている。「IT実践キャラバン」などでのセミナー活動やICTスクールの全国整備、「シニアポータルよつば倶楽部」「答えてねっと」などのコミュニティーサイト、シニア向けコンテストなどで幅広く支援する方針だ。

 また、これまでの活動の過程で出会った人や同じ志を持った人などが中心となり、アクティブシニア推進計画のアドバイザ組織である「アドバイザリボード」を設立した。現在8名のメンバーで構成され、各施策に対する評価や改善提案などが行われる。メンバーの1人であるジャパネットたかた代表取締役の高田明氏は「単にPCの使い方を教えるだけでなく、何のためにPCを使うのかという点を議論して、それをシニア層に伝えたい」と述べた。

アドバイザリボードの一員として豊富を語る高田明氏 アドバイザリボードの一員として豊富を語る高田明氏(左)

 会見の同時刻には、ノンブロードンバンド地域である群馬県みなかみ町で「アクティブシニアオンラインフォーラム」というシニア向けのITイベントが開催され、ネット中継でバルマー氏と参加者が交流する一幕があった。

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