HP、IT管理分野での優位性をアピール(2/2 ページ)

» 2007年11月27日 18時21分 公開
[Paula Musich,eWEEK]
eWEEK
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 今後の多くの作業において重要な連携の柱となるのが、ランブック自動化ツールの「HP Operations Orchestration」である。これはもともと、OpswareがiConcludeから取得した製品で、複数のインフラ要素に跨る複雑な変更が可能な自動プロセスワークフローを作成することを可能にする。ワークフローには監査証跡機能を組み込むこともできる。

 「今のところ、連携はシームレスなようだ」と話すのは、元Opswareの顧客であるカイル・ライナーソン氏だ。Advanced Micro Devices(AMD)のサービスデリバリマネジャーを務める同氏は、「HPの営業担当者とも話をしているし、以前のOpswareの営業担当者との関係も続いている。Opswareのツールをサポートするスタッフは、HPに移籍してからも引き続き同じ役割を果たしている」と語る。

 ライナーソン氏によると、AMDではデータセンターサーバのコンピュータ監査の自動化に際して、Minimum Baseline Security StandardsではなくOpswareの製品を採用したが、HPによるOpswareの買収は、この判断にお墨付きを与える格好になったという。

 OpswareはAMDが求めていた機能をすべて提供していたわけではないが、「同社にはわれわれ顧客にコミットする姿勢が感じられ、われわれのニーズを開発サイクルに含めてくれた」とライナーソン氏は話す。「HPが16億ドルを投資するというのだから、われわれの判断に間違いはなかったと思った」。

 Opswareなしでも、HPのソフトウェア部門は第4会計四半期の売り上げを6億9800万ドルへと倍増させ、HPを年商23億ドルのソフトウェア企業にした。HPのソフトウェア部門でワールドワイドマーケティングを担当するデビッド・ジー副社長によると、HPは市場の約2倍の成長率で伸びているという。

 しかし、CAやBMC Softwareといった競合企業も高い成長率をアピールしている。「どの企業も、ビジネスサービス管理、CMDB、そして関連するIT管理ソフトウェアの分野で成長していると主張している。BMCもHPもCAもそう主張している。HPは市場を奪取したわけではない」とForrester Researchのガーバニ氏は指摘する。

 しかしAMDのライナーソン氏によると、HPは自社の技術をMercury、Opsware、Peregrineなどと組み合わせることで足掛かりを確保する可能性があるという。「いったん足掛かりを確保すれば優位に立てる。HPは獲得したツールを既に使っている企業をOpenViewの拡販のテコとして利用することができる。『このサーバ自動化技術を検討していただけますか? あるいは、こちらのMercuryのQAテストツールはどうでしょうか? 』などと言いやすくなるからだ」と同氏は話す。

 Gartnerのコルビル氏も同じ考えだ。「これでHPは、サーバを求めるデータセンターのバイヤーや、ITサービスデスクスイートのバイヤー、CMDBのバイヤー、サービスを主体とするネットワーク事業者など、さまざまなタイプのバイヤーに非常にアプローチしやすくなる。顧客に価値を売り込む手段がたくさんあるからだ」と同氏。

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