“シンプルなIT”を目指す――デルとパートナー各社の取り組みDELL Enterprise Showcase 2007リポート(1/2 ページ)

11月29日に開催された「Dell Enterprise Showcase 2007」では、デルのジム・メリット社長をはじめ、パートナー各社のトップが次々に登壇。デルが目指す「Simplify IT」に支持を表明した。

» 2007年12月10日 08時00分 公開
[吉森ゆき,ITmedia]

デルのビジョンは「ITのシンプル化」

 基調講演は、デルのジム・メリット社長の挨拶から始まった。冒頭に日本向けに設計した製品の発売、ビックカメラやベスト電器といった小売業界との提携、ソリューションプロバイダーとのパートナーシップの強化など、日本においてビジネスが成功していることを強調。その後で、デルがフォーカスするエンタープライズ戦略について紹介した。

 製品としては、管理性とセキュリティ機能を向上させるなどラインアップを一新した新世代のPowerEdgeサーバ製品を紹介。また、2008年前半に発売予定の新しいブレードサーバを披露した。

 「新しいブレードサーバは、仮想化に最適化されたプラットフォームとして2008年前半に投入します。電力効率もより良くなり、環境に優しいグリーンな筐体になるでしょう」(メリット氏)

デル 代表取締役社長 ジム・メリット氏

 ソリューションについては、従来からデルが取り組んできた「Dell Professional Services(DPS)」を強化、新たに「インフラストラクチャー・コンサルティング・サービス(ICS)」というブランドで、コンサルティングからシステム構築までの一貫したサービスを提供していく方針を明らかにした。また、ICSでは、パートナーとの協業の重要性もアピールした。

 「デルでは、メッセージングとコラボレーションの領域でマイクロソフトと、ストレージの領域でEMCと、データベースの領域でオラクル、およびマイクロソフトと協業し、ソリューションの展開に力を入れています」(メリット氏)

 そして、企業で新しいITへの投資にわずか3割、既存のITの保守運用に7割も予算が配分されていることを課題として挙げ、それを解決するためにIT環境とITプロセスをシンプル化していく必要を訴えた。

 「デルのビジョンは“ITのシンプル化”です。製品・サービスは、シンプルで使えるものとして提供します。デルは、ITを迅速に配備し、ITを効率的に運用し、TCOを下げ、ITをより賢く展開できることを目指しています」(メリット氏)

デルは最適なニーズを提供するパートナー

 続いて、米国デルのエンジニアリング担当副社長、リック・ベッカー氏が講演。同氏は、デルが取り組んでいる「ITのシンプル化」とはどういうものなのかを解説した。

 「ITのシンプル化を実現するために、デルは仮想化のテクノロジーを採用して、サーバ、ストレージ、ネットワークの最適化を進めていきます。また、システム管理をシンプル化し、効率的に運用するために、デルは業界標準のx86アーキテクチャ、OS、ソリューションをプラットフォームにエンドツーエンドで採用しています。これにより、従来のレガシー資産によってシステムが縛られることはなくなります」(ベッカー氏)

デル エンジニアリング担当副社長 リック・ベッカー氏

 ベッカー氏はまた、ITをシンプル化するためのデルの施策について紹介した。

 「デルは、業界標準のプラットフォームに、工場で生産する時点でソリューションスタックを統合し、すぐに展開できる形で製品を提供しています。これは、Windows、Linux、Solaris、VMwareなどのOSだけでなく、SQL ServerやOracleなどのデータベースも工場からお客様のデータセンターに迅速にお届けします」(ベッカー氏)

 また、ITをシンプル化する新しいアーキテクチャとして、新しいブレードサーバについて紹介した。

 「新しいブレードのインフラには、5万4000にも及ぶ研究開発の工数をかけ、筐体だけでも19の特許を出願中です。ブレードサーバとしては、最も電力効率の高い筐体であり、設置・展開を迅速にし、最高の価値をお客様に提供します。ただし、デルでは、すべてをブレードにすることはありません。お客様のニーズに適切なコンフィギュレーション、適切なソリューションを選択して提供します。それがデルです」(ベッカー氏)

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