SAP、サービス格納DBなどNetWeaver向け新機能を発表

SAPジャパンは、アプリケーション基盤ソフトウェアのNetWeaverに新機能を加えたことを明らかにした。

» 2007年12月19日 19時43分 公開
[怒賀新也,ITmedia]

 SAPジャパンは12月19日、都内で記者発表会を開催し、アプリケーション基盤ソフトウェアのNetWeaverに新機能を加えたことを明らかにした。国内外に複数の拠点を持つ大企業などがSOA(サービス指向アーキテクチャー)でシステムを再構築する際に、より標準化した手法ですばやく各拠点に実装できるようになる。

 新機能は社内システムのすべてのWebサービス定義を格納し、一元管理するデータベース「Enterprise Services Repository」と、SOAベースのアプリケーション開発環境「SAP NetWeaver Composition Environment」。同日から提供を開始する。ビジネスプロセス管理向けソフトウェア「SAP NetWeaver Process Integration」も提供する。

SAPが発表したNetWeaver向け新機能

サービスを一元管理するデータベース

 Enterprise Services Repositoryは、注文処理など企業の業務を実行するさまざまなWebサービスを一元管理できるデータベース。利用企業はWebサービスの格納場所を正確に把握できるため、国内外に拠点が分散していても、Webサービスを再利用することで各システムをすばやく構築できる。

 Webサービス仕様の標準である「UDDI(Universal Description、Discovery and Integration)3.0」に準拠しており、SAPやパートナー企業、ユーザー企業が共同で定義した数千種類のWebサービスが格納されている。各Webサービスのインタフェースには、企業で必要となるさまざまなデータタイプを定義した国際標準「Global Data Type」を採用している。

複合アプリケーション開発を容易に

 NetWeaver Composition Environmentは、SOAで新たに構築する「コンポジット(複合)アプリケーション」を開発するためのコンポーネント。SOAでシステムを構築する上で、プロセスとサービスの組み立て、ドラッグ&ドロップでの画面(UI)作成もできる。Webサービスを組み合わせることで、コーディングなしでアプリケーションを開発できるのが特徴だ。

 標準規格であるJava Platform、Enterprise Edition(JEE 5)をサポートし、独自のJava仮想マシンを提供している。

ビジネスプロセスを統合

 NetWeaver Process Integrationは、Webサービスを組み合わせたプロセスを統合してSOAでシステムを構築する際の標準基盤。これまでのNetWeaver Exchange Infrastructure(XI)の後継製品という位置づけになる。

 Web Services Reliable MessagingやBPEL 2.0などの標準規格に対応している。プロセスの実行状況を監視し、指標に基づいてアラートを出す「Business Activity Monitoring」機能も実装できる。

新製品を説明したパートナー&マーケティング統括本部長、安田誠氏

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