EMC、マイクロソフト、IBM、ヒューレット・パッカードなど、大手ITベンダーが、仮想サーバ製品の開発に巨額の資金を投じている。半導体大手のインテルやAMDも、自社製品に仮想サーバのサポート機能を組み込んでいる。そして仮想サーバは、IT予算が限られ、データセンターのスペースに余裕のないミッドマーケットにおいて、確実に地歩を固めつつある。
ゴールドバーグ氏の当初の疑問はほとんど解消された。だが、サーバ仮想化に関する懸念は次々と浮上する。中でも最大の懸念は、データセンターにおける仮想サーバのカスケード効果だ。単純に言えば、サーバなどのコア技術を変更したために、他のシステム、例えばストレージの変更なども避けられなくなる厄介な連鎖反応だ。
「ミッドマーケットのCIOたちは、仮想サーバへの傾斜を強めるほど、データセンターに対する見方を根本的に変えなければならないことに気付く」と語るのは、フォレスターリサーチのアナリスト、フランク・ジレット氏だ。
ゴールドバーグ氏は結局、仮想サーバの導入を決断した。それは「数十万ドルもの投資」(同氏)だったが、医療収益4億ドルの聖ピータース医療サービスは、現在その投資に十分見合う利益を得ている。病院が所有していた160台の物理サーバのうち、110台がVMwareで仮想化され、5台の物理サーバに統合された。55台のサーバが仮想化されなかったのは、米食品医薬品局(FDA)の認定を受けており、改変できなかったためだ。
統合されたサーバは、古い機種数台が退役となってどこかへ搬出された。そして残りのサーバには、「スイッチを入れないでください」というステッカーが貼られた。
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