日本発の環境テクノロジーが世界を救う?米国とは異なる日本のグリーンIT事情(3/4 ページ)

» 2007年12月28日 07時00分 公開
[富永康信(ロビンソン),ITmedia]

多くの日本法人に参加を呼びかけ

 AMDとのリレーションシップをとってきたこともあり、2007年10月、CTCは世界で96社目、日本企業では初の企業としてグリーングリッドコンソーシアム(※1)への加入を果たした。世界では、CTCのようなデータセンターとITデリバリーの双方を手がける企業によるグリーンITへのチャレンジはあまり例がなく、コンソーシアムでもその成否に大きな関心が集まっているという。

※1 AMD、デル、HP、IBM、インテル、マイクロソフト、サン・マイクロシステムズ、VMwareなどがボードメンバーとなり、約120の団体が加盟。データセンターにおける省電力化に向けた問題箇所のリアルタイムな調査・分析、新技術の精査・研究、ベストプラクティスのためのフレームワークづくりや指標の定義、テクノロジーロードマップの提供などの活動を行う。


 「グリーングリッドにいち早く参画した最大の目的は、データセンターのITやファシリティ、運用それぞれの課題点を可視化し、標準指標とベストプラクティスを構築することで、日本社会に貢献できる次世代のデータセンターをつくっていくことにある」と語るのは、CTCデータセンター事業グループのデータセンター技術戦略室に所属する赤木央一氏だ。

 今後、競合を含め、より多くの日本法人にも参加を呼びかけ、日本文化や日本の環境にマッチしたグリーンITを促進する考えを示す同氏は、「日本でも米国のように研究分科会を設置し、素材や建設など業界を超えた取り組みも必要」だと述べる。

 また、将来クライメイトセイバーズ(※2)などで提案された最新技術が、グリーングリッドで評価、活用されるようになることも当然考えられるため、日本のグリーンITイニシアティブ(※3)や各業界団体においても、海外の法制度や標準化への動きに注目し、遅れないよう追従することが肝要であると赤木氏は指摘する。

※2 Climate Savers Computing Initiative (CSCI):2007年6月、インテル、グーグル、デル、EDS、HP、IBM、レノボ、マイクロソフト、PG&E、WWFなどを中心に発足。現在までに100以上の企業、団体が参加。2010年までに、コンピュータの電力消費量を50%削減(自動車約1100万台分のCO2削減に相当)することを目指す。


※3 21世紀型の「環境保護と経済成長が両立する社会」の構築に向け、経済産業省とIT関連分野業界5団体によって立ち上げられた。ITの省エネとITによる省エネの両面で活動を展開する。2008年1月に、産学官の連携強化の場のとしてグリーンIT推進協議会(仮称)の創設や、08年5月には「グリーンIT国際シンポジウム」の開催を計画する。


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