ソーシャルネットワーキングで鼻つまみ者にされる11種類の行為Magi's View(3/3 ページ)

» 2008年01月15日 00時00分 公開
[Bruce-Byfield,Open Tech Press]
SourceForge.JP Magazine
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9.他人の時間を無駄にさせても何ら気に病まない

 ネットワーキング活動をしていると、自分とのやり取りをしている相手はほかにもやるべき仕事を抱えているのだということが、当たり前の前提として考えられるようになるものだ。そしてこれは今から職探しに使用しようとする場合に特に当てはまることであるが、他人の手を煩わす行為をこちらから持ちかけることは可能な限り慎むべきであり、また本来の関係から逸脱した要件を求めるのも避けるべきである。例えば知り合ったばかりの相手でも、間近に迫ったカンファレンスの案内を転送してもらうよう頼むくらいは問題ないはずだが、自分専用にRubyの個人レッスンをしてくれと頼むのは無理があるはずだ。

 わたしの経験においても同業者の1人から、彼女の会社の空ポストを埋める適当な人材の紹介を頼まれたことがある。それに応じてわたしは何人かの適任者を探して、その中から1名を推薦した。ところがその数日後、彼女からその求人案件は人材企業に依頼することに決めたとの連絡が告げられたのだ。つまりわたしおよび推薦した人物は、数時間分の作業を無為に費やしたことになる。貧乏くじを引かされたわたしたち2人は、この同業者からの相談事は今後慎重に検討する必要があるという点でお互いに納得し、失礼な扱いを受けたものだとの思いを共有することになった。

10.交友関係を壊しかねない行為に走る

 これはまた別の企業での求人に関係して昨年の夏に経験した出来事だが、知人の1人に対して、そこでのポストの空き状況について仲介すると約束したことがあった。そして1週間も経つとこの知人はわたしに向けて、毎日の電子メールと1日おきの電話とで連絡を求めてくるようになったのである。その求人案件に関してわたしは何らの影響力を行使できる立場にはなく、単なる仲介者の1人に過ぎなかったため、この知人には最終的な決定が遅れているようだと告げることしかできなかった。1度彼の代わりに進捗状況を問い合わせたこともあったが、最終的にこの知人に対しては頻繁なアクセスを控えてくれるよう頼んだところ、気分を損なった同氏は、その後二度と連絡を入れてくることもなくなってしまった。共通の知人からその後知らされたところでは、わたしが彼の信頼に応えられなかったと、本人自身は思っていたそうだ。

 この件で失望していたとしても、それはこの人物自身の責任というものであろう。自分にとって役立つ可能性のあった人的チャンネルの1つを、過剰な行為に走ることによって、彼は自分で失ったのである。

 この事例を他山の石として自分の身に降りかからないようにするには、自分から出した請求についてのフォローアップは必要最小限にとどめておくことだ。明確なデッドラインの設定されていない案件であれば、1週間に1度程度の問い合わせ頻度で十分であろう。そして数週間経っても最終的な返信がもらえなければ、今回は縁がなかったものと覚悟を決めることも肝心である。

11.一方通行的なネットワーキングの使用法をする

 ネットワーキング活動を有効活用するには、お互いに有益なものを提供し合うことである。よって、自分に役立つものを提供してもらいたければ、自分から進んで相手の助けになるよう努めなくてはならない。例えば自分に求められた助言や紹介を無視したり、わたしの同業者の1人がそうであったように何かと理由をつけて断り続けることは、自分の役に立ってくれるかもしれない周囲の人間を徐々に失っていくことになる。同様に、自分からは手間のかかる多数の要請を出しておいて、数の上では同数とはいえ、質的にはごくささいな返礼しかしなかった場合も、結果は同じことである。

 ネットワーキング世界の場合、好意に対する返礼は必ずしもその場で目に見える形で示す必要はない。むしろそうした形式ではやり取りしない方が普通だといえるだろう。この世界の住人は、自分が誰かの役に立つ行為をした分だけ、いつかいずこかで同じ分量の支援を相手に求められるだけの権利を獲得したと考えるものなのである。そうした考えを尊重することこそが、ネットワーキング世界での正しい生き方だとも言えよう。

まとめ

 本稿で解説した数々の失敗を自分が犯さないようにする最善の方法は、己の行為は周囲の人々にどう映るべきかというイメージを常に意識し続けることかもしれない。自分の言葉遣いや行動を仲間たちがどう受けとどめるかを自問するように心がけることは、こうした失敗を回避できるだけでなく、ネットワーキング活動を実り豊かなものとする第一歩となるはずだ。

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