MS、オープンソースのOpen XML変換ツール提供へ

Microsoftは、OfficeをインストールしなくてもバイナリデータをOpen XMLに変換できるツールを計画、BSDライセンスの下で提供する。

» 2008年01月18日 12時54分 公開
[Peter Galli,eWEEK]
eWEEK

 米Microsoftは、バイナリデータを読み込んで、Open XMLフォーマットで書き出すオープンソース変換ツールプロジェクトを計画している。このツールがあれば、ユーザーがMicrosoft Officeをインストールする必要はなくなる。

 このプロジェクトは2月15日にSourceForge.netで始まり、BSDライセンスが適用されると、Microsoft Officeの上級プログラムマネジャーで、Office Open XML技術アーキテクトのブライアン・ジョーンズ氏は1月16日のメディアイベントで語った。

 「このプロジェクトの目標は、人々にバイナリからOpen XMLへの移行を促すことだ」(同氏)

 Microsoftはまた2月15日から、OSP(Open Specifications Promise)の下で、Office Open XMLフォーマットの資料を誰にでも提供する予定だ。OSPとは、対象となる仕様を利用する人に対してMicrosoftが訴訟を起こさないことを保証する、取り消しできない約束だ。

 現行は最初にMicrosoftに資料を請求して、フォームを記入してから電子メールで受け取る方式で、これを変更するとジョーンズ氏は言う。

 MicrosoftのOSPはかなり批判を受け、厳しい目を向けられているが、その条項は、同社のライバルであるSun Microsystems、IBM、Adobe Systemsによる同様の保証とかなり似ていると、同社の上級弁護士で、革新および相互運用性ディレクターのステファン・ムトコウスキ氏はイベントで語った。

 Microsoftのジョーンズ氏はまた、昨年9月にOpen XMLをISO/IEC標準とするのを否決した国家代表機関から寄せられた3255件のコメントについて詳しく説明した。

 多くのコメントでは、さまざまな国が同じ言葉を繰り返しており、個々の国もまったく同じコメントを一度ならず提出していると同氏は語り、結局これらのコメントは除外され、約1000件が残ったと付け加えた。

 「残った指摘の多くは簡単に解決できた。大多数は2007年11〜12月に提出されたものだった。1900年以前の日付がサポートされないこと、Open XMLが暗号化や言語タグ、色などの既存のISO標準と矛盾すること、週末を土日として定義していることなどが挙げられていた」(同氏)

 これらコメントへの最終的な回答は1月14日に提出され、2300ページに及んだ。これには国家代表機関の初期のフィードバックを受けた変更も含まれる。

 変更点には、日付の問題の修正、国名、国際的な機能、ISO推奨の暗号化アルゴリズムのみを使ったパスワードのハッシュ化が含まれるとジョーンズ氏は言う。

 互換性設定、コンフォーマンスクラス、アクセシビリティも変更し、新機能を加え、既存機能を変更したという。

 ISO/IECプロセスの次の段階は、2月最終週にジュネーブで行われる投票結果調停会議だ。この会議の後には、各国家代表機関が9月2日の投票結果を変更できる期間が30日間設けられる。

 これがOpen XMLをISO標準とするかどうかの最終投票となり、Microsoftは承認を得られることを期待している。

 ジョーンズ氏は、既にさまざまなプラットフォームやアプリケーションがOpen XMLをサポートしていることも指摘した。例えばAppleの(Mac OS X)Leopardはこのフォーマットをネイティブサポートしている。

 Burton Groupの調査ディレクター、ピーター・オケリー氏など一部のアナリストは、MicrosoftはOpen XMLで素晴らしい成果を出したと考えている。

 同氏は最近、「What's Up, .DOC? Open XML Formats, Open-Document Format, and the Revolutionary Implications of XML in Productivity Applications」と題した報告書を公開したが、今週はそれに対する多くの批判と反論がオンラインやブログに掲載された。

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