Eclipseとの統合を果たしたZend StudioReview(2/4 ページ)

» 2008年01月28日 08時25分 公開
[Peter-J.-Manis,Open Tech Press]
SourceForge.JP Magazine

 パースペクティブはユーザー独自の変更を施すことも可能で、それをカスタムビューとして保存しておき後日再利用するオプションも用意されている。

図4

 WYSIWYGパースペクティブについては、おおむね正常に機能している。例えばメタタグをヘッダ部に追加する場合、どの位置にドロップしてもその追加場所は自動的にヘッダ末尾とされ、複数のメタタグが同一行に配置されるという状況は回避される。またZend StudioはCSSクラスを認識でき、これらをプロパティタブに一覧してユーザーが選択可能にしている。もっともわたしが試用している間、ソースビューでのドラッグ&ドロップ操作時に幾つかのトラブルに遭遇した。新規要素を既存要素の後にドロップしたところ、オープニングとクロージングタグの間ではなく、タグ中に挿入されてしまうのである。

 コード補完機能についてはバージョン5.5当時よりも反応性が向上している感じがしたが、この機能はPHPDocドキュメントを利用することでより有用度の高いものにできる。図4はPHPDocを設定した場合の実行画面だが、ここには、入力すべき値、関数についての説明、その戻り値といった情報を指定できる。この機能を活用すると、扱う関数やパラメータの説明を別途調べ直す手間が大幅に省けるが、特にこれから新規にプロジェクトを扱うという開発者などは、その恩恵を最大限に受けられるはずだ。

図5 図5:Local History

 改善の余地があると感じたのは、Local History(図5)機能についてである。例えば操作の取り消し機能は、アプリケーションクラッシュ時のリカバリまでには対応していないが、ファイルを保存するごとに必ずコミットもするというユーザーはまずいないであろうから、現状ではSubversionやCVSを使っていてもある程度のギャップを生じさせる危険性を指摘しなければならないだろう。なおこのLocal History機能はユーザーによるファイル保存ごとにそのコピーをZend Studioのデータフォルダ中に作成しておくという仕様となっており、保存後に変更を加えた結果と以前の状態との間で、テキスト比較ないし復帰させるという処理が簡単に実行できるようになっている。もっとも、こうした比較時には構文強調表示もしてもらいたいところだが、現行のバージョンではサポートされていない。またLocal Historyの履歴中で特定の変更を検索するという機能も実装されていないようであり、変更内容はその実行日でグループ化されるだけである。

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