セルフレジ導入に手ごたえ――Teradata分社後の日本NCRの取り組み

日本NCRが今後取り組みを強化する分野の1つが、スーパーマーケットのセルフレジに代表されるセルフサービスだ。

» 2008年01月30日 16時57分 公開
[怒賀新也,ITmedia]

 日本NCRは2007年8月にデータウエアハウスの事業部門「Teradata」を分社化した。日本NCRが今後取り組みを強化する分野の1つが、スーパーマーケットのセルフレジに代表されるセルフサービスだ。セルフサービスについて、米国から来日した米NCRの上級副社長、マルコム・コリンズ氏と副社長のボブ・トラモタノ氏に話を聞いた。

来日したトラモタノ氏とコリンズ氏(右)

 「英国のTescoが運営する米国西海岸のスーパーマーケット、Fresh&Easyがレジを完全にセルフサービス式にした」とコリンズ氏は話す。セルフサービスとしては先進的な事例だ。

 日本では、小売業のイオンがNCRのセルフチェックアウトシステムを採用し、セルフレジを導入した。レジが混んでいる際に、ガムやチョコレート1つなど小額の買い物をする人にとって、自分で商品をスキャンして支払いができるのは便利だ。広報担当の相馬薫氏は「子どもが面白がってセルフレジを使っている」と話す。

 セルフレジの元になっているセルフサービスのシステムは、米ラスベガスのカジノで利用者の現金管理などさまざまな場所で利用されている。コリンズ氏によると、セルフサービスを「空港、小売、ヘルスケア業界にも積極的に訴求する」という。

 こうしたセルフサービス導入の利点の1つは、店舗のレジで働いていた人をバックエンドでの管理業務などに回せる点にある。また、セルフレジによる決済のシステム化によって盗難による被害額を減らせるという。米国では商品の盗難に従業員が関わることも多く、そうした事例の発生を予防する効果もあるようだ。少子高齢化により労働者の数を十分に確保できない地域などでも、セルフレジが活躍できるとしている。

 ただし、イオンを例にとると、レジを無人化できているわけではなく、4台に1人程度の割合でレジの監視係をつけている。盗難の被害に遭う確率が本当に小さくなるのか、顧客の満足度は低下しないかなど、セルフレジを今後広く普及させていく場合に確認しておくべきことはまだ多い。

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