KDE 4で変わるデスクトップ環境Review(4/4 ページ)

» 2008年01月31日 09時54分 公開
[Bruce-Byfield,Open Tech Press]
SourceForge.JP Magazine
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最終判断は保留

 今回紹介したのはKDE 4における変更内容のごく一部だ。すべてを紹介しようとすると長い箇条書きになるだろう。だが本当に重要な点は、KDE 4がどの程度の成功を収めたかである。

 変更の範囲を見る限り、ある意味でKDE 4は大成功といえる。デザイン面で幾つかの矛盾をはらんではいるが、以降のリリースで解決できるだろう。本当に重要なのは、これほどの大がかりな変さらにもかかわらず、パフォーマンス上の問題が最小限に抑えられているように見えることだ。KDE 4の過去のバージョンは1、2回使ったことがあるが、そのときは何度かクラッシュに遭遇した。ただし、それがKDE 4自体の問題だったのか、ライブDVDに急いでまとめたからなのかは今になっても分からない。

 また別の見方をすれば、KDE 4にはわれわれがデスクトップ環境に対してずっと抱いてきた価値観に変化や刺激をもたらす要素があまりに多いため、その違いに見合うだけの効果があるのだろうか、といった見方を最初からする人は少ないだろう。これまでとの違いを理由にKDE 4を受け入れようとしない人もいれば、同じ理由で飛びつく人もいるだろう。KDE 4に対して自らの評価を下すには、この新しいデスクトップ環境を相当な期間にわたって日常的に使い続ける必要があるだろう。

 1つ明らかなのは、KDE 4が野心的な取り組みの成果であり、これまでのデスクトップの概念を拡大しようと試みた開発者たちは称賛に値する、ということだ。こうしたアイデアには、 Mac OS XやWindows Vista、あるいはGNOMEやSymphony OSなど、ほかのデスクトップ環境から借用したものも一部あるが、そのほかはKDE 4独自のものだろう。個人的には、すべての試みが成功しているとはとても思えないが、できるだけ早いうちにGNOMEからKDE 4に乗り換えて、はっきりとした答えが出るまで使い続けてみようと思うほど、好奇心をかきたてられている。

Bruce Byfieldは、Linux.comとIT Manager's Journalに定期的に寄稿しているコンピュータジャーナリスト。


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