エンタープライズSOAならIBMに任せろ(1/2 ページ)

IBMビジネスコンサルティングサービスは、SAPが提唱する「エンタープライズSOA」の円滑な導入を支援すべく、同技術に精通したコンサルタントを大幅増員する。

» 2008年02月12日 07時30分 公開
[浅井英二,ITmedia]

 「日本市場はコンポジットアプリケーションへの潜在需要が旺盛。われわれのエンタープライズSOAに対する取り組みも第2フェーズに入った」と話すのは、IBMビジネスコンサルティングサービス(IBCS)のバリュー・デリバリー・センターを率いる大竹伸明パートナーだ。現在、15名のエンタープライズSOAに精通したコンサルタントがバリュー・デリバリー・センターに配置されているが、「2008年は育成に力を注ぎ、80名まで引き上げたい」と話す。

 日本アイ・ビー・エムとそのコンサルティング会社であるIBCS、およびSAPジャパンは昨年7月、「イノベーション・ラボ for エンタープライズSOA」を立ち上げ、SAPが提唱するエンタープライズSOAをデモによって体感したり、評価、検証できるサービスを開始している。昨年末までに10社の顧客企業が同ラボのサービスを利用しており、さらに本格的なエンタープライズSOAの導入を提案していくには、より多くのコンサルタントが必要だ、と大竹氏は話す。

現場のこだわりに応えるエンタープライズSOA

 SAPは2003年、新しい統合のパラダイムとして、SOA(サービス指向アーキテクチャー)をエンタープライズレベルに引き上げるエンタープライズSOAを発表し、翌2004年には、それを実現するSAP NetWeaverを市場に投入、2007年には、ほぼすべてのSAP Business SuiteがエンタープライズSOA対応となって出そろった。

 しばしば、バージョンアップの負荷が話題となるSAPアプリケーションだが、既にSAP ERP 6.0では、アップグレードは機能強化パッケージとして小刻みに提供され、個々の新機能を実装するかどうかはユーザーの選択に任されている。2008年からはSAP Business Suite全体に対して機能強化パッケージが提供されるようになり、安定したコア上でSAP Business Suiteの継続的なイノベーションが可能となる。

 もちろん、SAP Business Suiteによって実現しようとしている「Business Process Platform」(BPP:事業の基盤となるソフトウェア)では、SAPのエンタープライズサービスや非SAPのアプリケーションの機能を組み合わせて、新しいコンポジットアプリケーションを開発することによって、さらなるイノベーションも促進できる。

 「国内では製造業を中心にコアは手組みで構築する企業が多い。長年現場で培ったノウハウがあるからだ。コンポジットアプリケーションは、そうした現場のこだわりを上手く表現できる。顧客の要求に応えられるよう、エンタープライズSOAに精通したコンサルタントの育成が極めて重要になる」(大竹氏)

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